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【インタビュー】29歳武尊が語る“過去最高の自分”「魔裟斗さんは一番強い時に引退した。そういう感覚に近い」
posted2021/02/20 11:04
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph by
Kiichi Matsumoto
――武尊選手、今日はよろしくお願いします。1月に予定されていた試合が延期となるなど試合ができない状況が続きました。ウズウズしているのではないでしょうか。
武尊 そうですね。2回も流れちゃってるんで。1回目(昨年11月の福岡大会)は僕のケガでしたが、こういうことは初。いい意味でフラストレーションがたまっている感じです。
――新年はどんな気持ちで?
武尊 今年は、自分の中でも集大成じゃないですけど、勝負の年だなと思っています。この試合(対レオナ・ぺタス)にいい形で勝って、いいスタートを切りたいという気持ちです。
――集大成、ここが勝負だというときに、試合ができない。この現状に歯がゆさもあるのでは?
武尊 そういうものを悔しいと思わないようにしているんです。マイナスの感情にしない。これは神様がもっと練習時間を作ったほうがいいとか、体調やコンディションを整えてから試合をしろということなんだろうなと捉えていたので。切り替えていましたね。
アマチュア時代に2度戦っている
――レオナ・ぺタス戦へ向けてスイッチは入りましたか?
武尊 そうですね。2カ月を切ってからは、毎日ピリピリムードみたいな感じです(笑)。練習が終わったら(スイッチを)オフにするようにはしてますが、練習はけっこうバチバチ、ピリピリした雰囲気はあります。
――レオナ選手の映像は観ていますか?
武尊 今までの試合はだいたい観ていたので、作戦を立ててからは、あまり観ないようにしています。イメージを作り過ぎないというか、こういうパターンがあるとかこういう攻撃を持っていると、情報だけ意識に入れている感じです。
――大岩龍矢選手との試合(2020年7月、Krushスーパーフェザー級タイトルマッチ)を一緒に観ていただいてもいいですか。この試合、武尊選手はセコンドについていました。レオナ選手を近くで観て、どんな印象を持ちましたか。
武尊 アマチュア時代に、2回試合をやったことがあります。プロデビューしてから、ここ数年でまた成長しているなというのを感じました。やっぱりベルトを取って強くなるというのはあるので。
――近い距離で、細かいパンチを使うのがうまい。
武尊 そうですね。ノーモーションでけっこうパンチを打つ。
――左の使い方がうまいですよね。
武尊 ジャブのタイミングもいいし、戦った選手は「重たかった」と話す人が多いです。あとは、蹴りにジャブを合わせるのがうまい。
――なるほど。この大岩選手との一戦はどういう戦略だったんでしょう。
武尊 龍矢はフィジカルが強いんで、どんどん詰めていったほうがいいという作戦でした。