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【2021年ドラフト隠し玉】「幕張のアジャ」がもう1人いた? 名将の助言で幕張総合・村山亮介が急成長!
posted2021/01/27 06:00
text by
高木遊Yu Takagi
photograph by
Yu Takagi
すっかり千葉ロッテマリーンズを代表する選手の1人になった井上晴哉。目を引く大きな体格で、その期待に違わぬ豪快な打球を放ち、女子プロレスラーのアジャ・コング似の風貌とパワフルさで「幕張のアジャ」としてファンに親しまれている。
そんな井上を彷彿とさせるような体格と打球で一気に引き込まれる右打ちの大砲がZOZOマリンスタジアムと同じ幕張にいる。
その名は村山亮介、185センチ107キロ。かつてどこか自信が無さそうだった少年は夢を得た瞬間、その目の色を変え、周囲の想像をはるかに超えるスピードで成長を続けている。
坂本勇人の恩師のもとへ出稽古
JR京葉線の海浜幕張駅。南口から15分ほど歩けばロッテの本拠地・ZOZOマリンスタジアムに到着するが、ちょうど反対の北口から徒歩15分。そこに千葉県立幕張総合高校がある。1996年に開設された30年に満たない歴史の高校ではあるが、近年は強豪校を倒すことも珍しくなく、昨秋の千葉大会でも市立船橋を破って16強入りを果たしている。
その要因のひとつが同校OBでもある柳田大輔監督の積極的な姿勢だ。
練習試合は明秀日立(茨城)、健大高崎(群馬)、花咲徳栄(埼玉)、慶應義塾(神奈川)、山梨学院(山梨)など甲子園常連校や各県強豪との対戦が多く組まれる。甲子園出場のない公立校としては異例だが、柳田監督が学びたい一心で学生時代からさまざまなところに飛び込んできた成果だろう。選手たちは強豪から技術やパワー、スピード感に加え勝利に向かう姿勢や準備など多くのものを学んでいる。
柳田監督はそうしてできた深く広い人脈の中で、村山ら選手数名を昨年8月に出稽古に向かわせた。その行き先は明秀日立。光星学院(現八戸学院光星)時代に巨人・坂本勇人らを育てた金沢成奉監督のもとに預けた。