フランス・フットボール通信BACK NUMBER
「毎週2時間近く話している」ルカクが語ったアンリとの“特別な関係”、ロナウド「34ゴール」との比較
posted2021/01/24 11:01
text by
ティモテ・ピノンThymote Pinon
photograph by
L’Équipe
ティモテ・ピノン記者によるロメル・ルカクインタビューの後編である。話題はコンディションの整え方からティエリ・アンリやディディエ・ドログバとの関係、リーダーシップ、これからの目標などへと移っていく。(全2回の2回目/#1から続く・肩書などは掲載当時のままです)
(田村修一)
あのNBA選手も使っている“秘密兵器”を購入
――あなたのチームへのコレクティブな献身は素晴らしいですが、試合時間の経過とともに頭の明晰さを保つのは難しくなります。心身のバランスをとるために何に気をつけていますか?
ルカク 僕はこれでもフィジカルが強い方だと思う(微笑)。だから準備さえ万全ならば何も問題はない。また精神状態の問題でもある。たとえばこの夏は1週間しかバカンスが取れなかったけど、「十分に休めなかった」とは思わなかった。そんな風に考えたら、それだけで怪我の危険性が増える。
だから「しっかりと準備して強い自分を見せるんだ」と自分に言い聞かせた(とテーブルに拳を叩きつける)。それは試合も同じで、プレーできるだけで素晴らしいし、努力を続けながらひと試合ずつ重ねていけることに満足している。
――そう言えるのも、疲れを癒すことができる秘密があるからではないですか?
ルカク それは酸素テントのことを言っているのかな?(微笑) これなんだ(とパソコンを持ち出して画面を指し示す)。レブロン・ジェームズがNBAのプレーオフの際に使っていたと知ったから僕も1つ買ったんだ。いずれにせよ、ここに来てからの練習は本当にきついから他に選択肢はなかったよ(笑)。
――やはり違いますか?
ルカク 全然違う。回復にかかる時間も半分だし、ピッチの上で消費するエネルギーも少なくて済む。もちろん厳格に適用する限りにおいてで、時間もサイクルもきっちりと守らねばならない。内部は酸素量が少ないからマスク着用は義務だ。あとはヘッドフォンで音楽を聴きながらリラックスする。そうすることで、高地で療養するのと同じ効果が得られる。
――他には陰で何をしていますか?
ルカク 携帯冷水浴槽を最近注文した。それから運動療法のトレーナーには定期的に家に来てもらっているし、脚に圧力を加えるマシンも使っている。脚には何の秘密もない(笑)。労なくして益なしだ! ポテンシャルを最大限に引き出すためなら何だってする。キャリアを終えるときに、後悔なく振り返れるようにね。
「アンリとドログバからは本当に多くを教わった」
――それではピッチの上では何をしていますか?