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【独占インタビュー】杉谷拳士が語る国歌熱唱秘話と夏の大失速…“レベチ”だった中田翔は「スピードが違う」

posted2021/01/01 11:05

 
【独占インタビュー】杉谷拳士が語る国歌熱唱秘話と夏の大失速…“レベチ”だった中田翔は「スピードが違う」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

テレビ番組の収録以外は「ほとんど家にこもっていた」という杉谷の今オフの楽しみは、大人買いした漫画『はじめの一歩』を読破することだったという

text by

石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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Nanae Suzuki

プロ野球界きってのムードメーカー、北海道日本ハムファイターズ・杉谷拳士。未曽有のシーズンとなった2020年も、球場内外で話題を振りまいてきた。しかし、チームの結果は振るわず、個人としても悔しいシーズンとなった。2021年に懸ける思いとは? 全2回の前編(後編へ続く)

――昨シーズンはスポーツ界、野球界にとって、そして杉谷選手にとっても異例のシーズンになったと思います。

杉谷 新型コロナウイルスが感染拡大して、プロ野球もいつ開幕するのか分からない状態が続いていたので、「本当に野球できるのかな?」と不安のなか、春のキャンプも過ごしていました。そんな状況のなか、キャンプが終わるとすぐ自粛になってしまって。正直なところ、「ここからどうしたらいいんだろ」「どこにピークを合わせればいいんだろう」という不安はありました。

 ただ、僕たちだけではなく日本中が、そして世界の人たちが同じ状況だったので仕方がないという気持ちもありました。『いつかは野球できるだろう』という思いを持ち続けながら、いざ開幕となった時に出遅れないように準備することに集中していました。

――自粛期間中はお弁当を作ったりして時間を過ごしていたそうですね。

杉谷 普段できないことをやろうと思って、お弁当を作ったりDIYしたり、家でできることをいろいろと探してやっていました。お弁当作りも実際にやってみると、意外といろいろ手間がかかることが分かったんですよね。しかもなかなかうまく作れない。「これ、毎日やっていたらしんどいなー」って途中から面倒になってしまいました(笑)。

 高校時代は母親が毎日朝早く起きて弁当を作って持たせてくれていたんですが、親のありがたみを感じずにはいられなかったですね。すぐに母親に連絡しましたよ(笑)。

話題の“熱唱”、新規メンバーを募集中

――イレギュラーなシーズンだったからこそ痛感したこと、野球観に変化はありましたか。

杉谷 身近なところでも2008年から2011年にチームの監督を務めていた梨田(昌孝)さんがコロナに感染して生死をさまよっていると聞き、自分たちは本当に野球やっていていいのかなという思いにもなりました。そして野球が始まった時にはいろいろな人を勇気づけたいなという気持ちにも。これは2020年に限ったことではないけれど、僕らにとっては1シーズン100数十試合分のうちの1試合でも、足を運んでくれるお客さんにとってはその1試合がシーズン最初で最後の球場での観戦になるかもしれない。

 もちろんいつも全力でプレーしていますが、そういった意味でもあらためてシーズンすべての試合を全力で、一瞬一瞬、自分のプレーをもっとファンや観客のみなさんに見てもらいたいという気持ちが強くなりました。

――その思いが試合前の国歌斉唱ならぬ、“国歌熱唱”にもつながったのでしょうか。

杉谷 2019年のオフにオーストラリアで自主トレをしているときに、向こうの選手がみんなで国歌斉唱のときに大きな声で歌っていたんですよ。それがすごくかっこいいなと思って。実は矢野コーチ(謙次・二軍打撃コーチ)もアメリカで研修をして帰ってきたときにそう感じていたらしく、国歌斉唱することになったんです。歌うようになって、「よし、行くぞ!」と試合に向けてさらに気合が入りますね。

――新しいシーズンに向けて新規メンバーも募集されているとか。

杉谷 そうですね、後輩にも自主参加を呼びかけるつもりです。若い選手たちは恥ずかしがっているだけだと思うので、歌っていいんだと教えたいです。新規メンバー募集してます!(笑)。

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