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<紅白歌合戦>落選した常連組 aiko(14)、AKB(12)、いきものがかり(11)…「なぜ15回出場が難しい?」
text by
近藤正高Masataka Kondo
photograph byBUNGEISHUNJU
posted2020/12/31 06:04
今年も紅白の総合司会は内村光良が務める(写真は2018年のもの)
2016年以降の出場歌手のうち、出場回数が通算20回以上となる歌手はほぼ7組に絞られたが、石川はその一人である。2016~17年の出場歌手ではこのほか、五木ひろし、郷ひろみ、坂本冬美、TOKIO、天童よしみ、松田聖子(以上、出場回数順。石川の回数は五木に次ぐ)が該当した。2018年にはここからTOKIOが抜け、6組となったものの、翌2019年に氷川きよしが出場20回に達して再び7組になり、今年も顔ぶれに変わりはない。
今年出場する歌手で20回達成までもっとも近いのは水森かおり(今年を含め18回出場)だが、あと2年かかるので、少なくとも来年はこの7組のままで行く可能性が高い。ただし、今年で出場50回に達し、歴代1位の北島三郎と並んだ五木ひろしの去就が気になるところではあるが。
ジャニーズ事務所内の“入れ替え”
ジャニーズ事務所の常連出場組だったSMAP、TOKIOに続き、嵐も今年をもって活動を休止し、紅白を離れる。三本柱だった彼らと入れ替わるように、ジャニーズは2012年以降、2015年を除くすべての年に初出場のグループを送り出してきた。
2012年に初出場したのは、今年も出場が決まっている関ジャニ∞だ。これに続き、翌2013年にはSexy Zoneが初出場を果たし、2018年まで6年連続で出場する。2014年と2016年にはV6、KinKi Kidsと、ベテラン勢が満を持して登場。KinKiは現時点でこの年のみだが、V6は2016年まで3年続けて出場した。2017年以降の各年は、Hey! Say! JUMP、King & Prince、Kis-My-Ft2と来て、今年はSixTONESとSnow Manの2組が初出場を決めた。残念ながらSnow Manは先述のとおり出場を辞退したとはいえ、それでもジャニーズから6組が出る。
aiko(14)、AKB48(12)、いきものがかり(11)……15回が難しい
ジャニーズが続々と新たなグループを送り出してきたのは、ちょうど紅組でも、AKB48とその姉妹グループ、さらに乃木坂46をはじめとする坂道シリーズの各グループが、やはり毎年のように初出場を決めていた時期と重なる。これを、紅白による対決を一層盛り上げるための両軍のせめぎ合いと見ると面白い。
なお、紅白の初出場歌手数は少なくともここ数年、毎年だいたい10組ほど(今年は8組)で推移してきた。全体的に出場歌手数が減るなかで、20回以上出場組と初出場組の数が毎年ほぼ変わらないということは、それ以外の歌手のあいだで椅子取りゲームが繰り広げられているということでもある。その熾烈さは、出場数が10~19回の歌手が意外と少ないことからもうかがえる。