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「アスリート出身が多い」韓国アイドルとスポーツの“3つの共通点” フィギュアファンはK-POP沼に落ちやすい?
text by
K-POPゆりこk-popyuriko
photograph byBTS
posted2020/12/25 11:01
8月にリリースしたデジタルシングル『Dynamite』 で、Billboard Hot 100で1位を獲得したBTS
この背景には、アメリカ市場ではあらゆる著名人に「自らの信念や社会問題まで自分の言葉で意見を述べることが求められている」ことが挙げられる。プレーやパフォーマンスの良し悪しだけでなく、彼らが世界的な成功や支持を受ける裏には、こういった「メッセージ」への共感と「姿勢」への評価は欠かせない。
日本のアイドル業界ではそういった姿勢が見られない一方で、K-POP業界でこの傾向が強まっている理由は、韓国では海外市場で勝負することを視野に入れたうえで、アイドル自らが自分の意見や考えを積極的に発信することが「必須条件である」という認識が広く認知されているからだろう。
「韓国の羽生結弦」アイドルに転向した人も意外と多い
ここまで、K-POPアイドルとアスリートの「3つの共通点」を紹介してきたが、そもそもK-POPアイドルにはプロアスリートを目指していた者が少なくない。
X1(※11人組のボーイズグループ・すでに解散)出身のチョ・スンヨンはサッカー選手を志しブラジルへ留学していたほど。7人組グローバルボーイズグループ・GOT7のジャクソンはフェンシング世界11位の腕前を持ち、オリンピックを目指すアスリートだった。
今年11月にデビューした7人組ボーイズグループ・ENHYPENには、フィギュアスケート選手として数々の国際大会で入賞経験があるソンフンというメンバーがいる。日本代表として2大会の五輪に出場した鈴木明子氏の振り付けで演技した経験もあり、一部メディアでは「韓国の羽生結弦」と報道されていたことも。
秀でた身体能力を生かすこともできるし、成功すれば影響力を持ち、人の心を動かすことができる。スポーツの道を断念した少年・少女たちにとって、K-POPアイドルは魅力的かつ理にかなった「次なる夢」なのだろう。
オリンピックがお預けになった今こそ「K-POPアイドル」
K-POPアイドルは言わば“歌って踊るアスリート”だ。ハードな訓練を耐え抜き、心身を磨ききったものだけが表に出て脚光を浴びる。今やアジアを飛び越えて世界をフィールドに戦う彼ら・彼女らは真っ直ぐな野心を胸に、人生を賭けて高みを目指しつづける。『Nizi Project』も“少女たちの甲子園”としてカタルシスを感じさせてくれるコンテンツだったからこそヒットしたのだと確信している。
オリンピックもしばらくお預けになってしまった今だからこそ、K-POPの“推し”を作って応援してみるのはいかがだろうか。この沼はなかなかアツくて深い。