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Vリーグ・36歳 越川優の成長し続ける“バレー脳” 3年ぶりのインドア復帰に「評価を下すのは結果」

posted2020/12/21 06:00

 
Vリーグ・36歳 越川優の成長し続ける“バレー脳” 3年ぶりのインドア復帰に「評価を下すのは結果」<Number Web> photograph by VOREAS,INC.

攻守両面で惜しみなく力を発揮する越川。質の高いプレーやストイックな姿勢は若い選手にも刺激を与えている

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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VOREAS,INC.

 バレーボールの元全日本男子キャプテンで、'17年からビーチバレーに転向していた越川優が今夏、3年ぶりにインドアに復帰。V2リーグのヴォレアス北海道でベテランならではの存在感を見せている。10月に開幕したV2リーグでは11月22日現在、6勝1敗で2位。目標とする来季V1リーグ昇格に向けて、まずまずのスタートを切った。

「チームの課題はたくさんあるけど、勝てているのは良いことだと思う」。'08年北京五輪に出場し、イタリア・セリエAでもプレー経験のある越川だけに目線は高く、表情は生き生きとしている。

 個人としてはエド・クライン監督の下、攻撃から守備までの幅広い要求に応えている。11月8日のつくばユナイテッドサンガイア戦で12得点を挙げて3-0のストレート勝ちを演出したかと思えば、相手のブロックシステムへの対応でサイドアタックの回数を控えた11月15日の長野ガロンズ戦では、一転して守備で実力を発揮。成功率77.3%を記録したサーブレシーブやディグで流れを呼び込みつつ、サービスエースも披露して3-1の勝利に貢献した。

「相手によって与えられる仕事は変わるが、出た試合は役割を果たせていると思う」。3年ぶりのインドアということで、今は監督の方針により休みを入れているが、今後は出場が増えていきそうだという。

日々、バレー脳が成長し続けられる

 昨季のヴォレアスはV2リーグ終盤の2月に2位をキープしていたものの、コロナ禍により1部との入れ替え戦が消滅し、今季はその悔しさが原動力となっている。越川にはプレー面のみならず、豊富な経験をチームに伝える役割もある。

「僕が入ったことがプラスなのかマイナスなのか。評価を下すのは結果です」。シビアに状況を見つめる越川だが、ビーチの経験で開けた新たな視界が、自身に好影響をもたらしているのは間違いない。

「バレーボールは同じプレーを繰り返すことがほとんどなく、選手としてやっている以上は経験値が増える一方です。日々、バレー脳が成長し続けられるのは選手だからこそ。今、むちゃくちゃ楽しんでいます」

 挑戦者魂を持っている限り前進できるのがアスリート。チームをV1に昇格させ、自身の華麗な経歴に新たなページを加える姿を見たい。

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