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「パリーグは怖い。最下位オリックスだって…」楽天ドラ1左腕・早川隆久が明かす“早大の先輩のアドバイス”
posted2020/12/15 17:03
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph by
Sankei Shimbun(球団提供)
2020年のドラフト会議、最多タイ・4球団から指名を受けた早稲田大学エース・早川隆久(22歳)。楽天入団を発表した早川が語る“パリーグの怖さ”とは――?(インタビュー前編から続く)
驚嘆と畏怖。
両方の感情が、同時に早川隆久を襲った。
2020年の日本シリーズ。
ソフトバンクが巨人に4連勝し、4年連続で日本プロ野球の頂に旗を立てた。
4試合で26得点の安定した攻撃陣。なにより、巨人打線を日本シリーズで歴代最低のチーム打率1割3分2厘に封じ込めた投手陣の力は衝撃的だった。掃討などを意味する「スイープ」を用い、メディアが圧倒的勝利を強調するほど、今年もソフトバンクは強かった。
「ヤバくないですか?」
日本シリーズのことを早川に尋ねると、驚きを隠さず真っ先に答える。
楽天のドラフト1位が4試合のなかで特に脅威を感じたのが、今季、最多勝を獲得し球界を代表する投手でもある、巨人・菅野智之がノックアウトされた第1戦だという。
苦笑しながら言葉を漏らす。
「巨人の菅野投手があんなに打たれるって……。開幕から13連勝するようなすごいピッチャーを苦にせず打つ、ソフトバンクの底が知れないです」
先輩のアドバイス「パ・リーグは怖い。最下位オリックスだって……」
早川は来季から、「球界の盟主」に名乗り出たソフトバンクの猛者たちと対峙することとなるが、悲観的な感情に支配されているわけではない。そのための準備はすでに進めている。まず、開始したのはリサーチだ。
楽天への入団が決まったことで、プロ野球の世界に進んだ先輩たちともコンタクトが取れるようになった。
早川が頼りにするひとりに、早稲田の2学年先輩で、今季、ロッテの先発として自己最多の7勝をマークした小島和哉がいる。