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1番人気はアーモンドアイかコントレイルか… ジャパンカップ、36年前の“3強対決”の興奮再び?
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2020/11/27 17:02
2年前のJCを驚異的なレコードで勝利したアーモンドアイ。鞍上ルメールは万感の思いでラストランに臨む
かつて3強が見せた、ワンツースリーの名レース
私が競馬に興味を持ち始めた頃、いわゆるTTGと呼ばれた3頭の駿馬がいた。テンポイント、トウショウボーイ、グリーングラスだ。彼等は同期で、3頭が揃ってレースに出走したのは3回。その3レース全てで3頭が上位3着までを独占し、優勝はそれぞれ1回ずつ分け合った。
そのトウショウボーイの産駒だったミスターシービーが1983年に3冠馬になると、翌年には同じく3冠を制したシンボリルドルフと激突した。初めての対戦となったジャパンCではマイペースに持ち込んだカツラギエースの逃げ切りを許し、2頭の3冠馬は枕を並べて討ち死にした。盛り上がったのはこの年の有馬記念だ。日本馬として史上初めてジャパンCを優勝したカツラギエースと、2頭の3冠馬であるミスターシービーとシンボリルドルフが再び揃ってターフに参上。逃げるカツラギエースと追い込むミスターシービー、そしてどこからでも競馬の出来るシンボリルドルフと三者三様のキャラクターだった事もあり、グランプリは注目の的となった。結果は若き3冠馬シンボリルドルフがきっちりと差し切り、逃げたカツラギエースが2着に粘り、先輩3冠馬のミスターシービーは追い上げるも届かず3着。3強と目された3頭のワンツースリーで幕を閉じた。
今週末に行われるジャパンC。ラストランになるアーモンドアイにとって、コントレイル、デアリングタクトと直接対決するのはこれが最初で最後。3強の3冠馬が過去の3強対決に負けず劣らず後世に語り継がれるような、そしてコロナ禍に塞ぐ競馬ファンを爽快な気分にさせてくれるような名勝負が繰り広げられる事を期待したい。