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1番人気はアーモンドアイかコントレイルか… ジャパンカップ、36年前の“3強対決”の興奮再び?
posted2020/11/27 17:02
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
3強対決に注目が集まるジャパンC(GI、東京競馬場、芝2400メートル)がいよいよ目前に迫った。
「こんなにうまくいっているのが少し心配です」
笑いながら半ば冗談でそう語ったのはクリストフ・ルメール騎手。11月1日に行われた天皇賞(秋)をアーモンドアイで勝つと、同月15日のエリザベス女王杯はラッキーライラックで優勝。更に翌週22日のマイルチャンピオンシップはグランアレグリアを駆って1着でゴール。現在GI機会3連覇中。GI戦線の開幕戦であるスプリンターズSもグランアレグリアで制しているので、この秋のGI全6戦中4つを彼の騎乗した馬が先頭でゴールを駆け抜けている。
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また、敗れたレースでもアリストテレスに乗った菊花賞ではコントレイルにクビ差まで迫る好騎乗を披露。3年連続リーディングジョッキーに対して“勢い”といっては失礼だが、現在ノリにノッている事は疑いようがなく、だからこそ自身も冒頭に紹介したセリフを吐露した。
福永騎手も驚くルメールの騎乗
ちなみにそう語ったのはマイルチャンピオンシップを優勝した直後のこと。このレースでは最後の直線でライバルであるインディチャンプの福永祐一騎手に上手に内へ押し込められるシーンがあった。見ている側としては冷や汗モノの場面であったが、ルメール騎手はグランアレグリアの力を信じ、一旦下げてから外へ持ち出して差し切った。これには福永騎手も目を白黒させて驚いていたが、関西を代表するこのベテランジョッキーが今秋ルメール騎手に驚かされたのは、これが最初ではなかった。
先述した菊花賞でコントレイルに騎乗していたのも福永騎手。ディープインパクト以来となる史上3頭目の無敗の3冠制覇を達成したものの、ルメール騎手操るアリストテレスとは僅かにクビ差。レース後には「道中、クリストフがすぐ左後ろにずっといて、プレッシャーをかけられ気負ってしまった分、最後にいつものような伸びが発揮出来ませんでした」と談話を残した。
当のルメール騎手が言うには「プレッシャーをかけたつもりではなかった」そうだが、彼にその気がなくても、相手の方では強い重圧を感じていたという事だろう。先週のマイルチャンピオンシップともども、2人の名手の駆け引きが興奮するレースを演出したわけだが、今週のジャパンCでもまた彼等の戦いが見られるかもしれない。