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貴景勝と照ノ富士が締めた2020年 フレッシュな若手が台頭し、来年の相撲界はどうなる?

posted2020/11/25 17:30

 
貴景勝と照ノ富士が締めた2020年 フレッシュな若手が台頭し、来年の相撲界はどうなる?<Number Web> photograph by KYODO

大相撲11月場所で優勝。八角理事長から内閣総理大臣杯を受け取る大関貴景勝

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武蔵川光偉

武蔵川光偉Musashigawa Mitsuhide

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 2020年最後の本場所が終わったね。大関貴景勝と、元大関の照ノ富士が千秋楽に優勝決定戦までもつれこんで、本当にいい締めくくりになったと思う。元横綱の僕も興奮するくらいに、本割も決定戦も、ふたりともいい相撲を見せてくれた。今場所は両横綱が初日から休場し、朝乃山、正代と大関も途中休場してしまったなか、よく頑張ってくれたな。お客様も大満足だったと思うよ。

 特に今場所の照ノ富士は、大きい体で頭をつけて行くようないい相撲が何番もあったんだ。以前の照ノ富士と違って、力任せな相撲ではなく、相手によって考えていくようになった。ただ、本割の取組での「浴びせ倒し」は危険だったな。照ノ富士が思い切り体重を掛けて押しつぶす感じになったけど、相手がケガする可能性があるんだ。貴景勝、ケガしないでよかったなぁ。あと、照ノ富士は今後は立ち合いを直さないといけない。上位陣を相手にする時、手をつかないんだよね。膝が悪いのもあると思うが、ちゃんと手をついた体勢からだと勢いもつかないし、相手に圧力を掛けられないからなのだろうけど、そこは普段から意識して稽古していけば大丈夫なはず。7月場所では幕尻で優勝して、翌場所は勝ち越し。今場所は小結として13勝し、「来場所の成績次第では大関に」との声もあるらしいけど、大関取りは、やはり関脇の地位を起点にしてほしい。たまたま大勝ちしたから大関になるって、朝乃山と正代の昇進もちょっと甘かったけど、のちのち苦労することになってしまう。昇進基準はぶれない方がいいと思うんだ。

活躍目立った志摩ノ海、千代の国、宇良…

 敢闘賞を受賞した志摩ノ海だけど、頭を付けて簡単に顔を上げない、相手が嫌がる相撲を取るんだよね。11勝して後半は3連敗してしまったけれど、まだまだこれから力が付いてくると思うよ。

 同じく敢闘賞を受賞した千代の国。僕からも「頑張ったで賞」をあげたいくらいだな。何度もケガをして這い上がって来て、本当にすごいこと。若い力士たちも、彼の姿を見て学んだ方がいい。いい見本だよね。必死さと真面目さが伝わってくるし、本当にいいお相撲さんだと思う。

 宇良も大ケガから復活して、十両の土俵を沸かせてくれたけど、14日目の東龍戦では「後ろもたれ」という珍しい技で勝った。相手の脇の下に首をねじ込む形になったけど、相手によっては、そのまま上に乗って体重を掛けてきて、かなり危険なんだ。宇良らしいといっても、これからはケガのリスクの少ない相撲を考えていったほうがいい。今のスタイルだと、またケガしちゃうよ。

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