送った助言で思い出すものは？

　近鉄、楽天、マリナーズと歩む中で故障を乗り越えてきた岩隈。最後の2年間は再起を目指し巨人の二軍で懸命の調整を続けたが、右肩の故障は癒えなかった。日米通算170勝を挙げたプロ生活21年で貫いた、腐らず諦めず粘り強く目標へと近接するその精神を礎石に打ち据えたのは公私で寄り添った久保氏ではなかったか。

　最後に聞いた——。岩隈への助言で、一番に思い出すものは何か。久保氏は迷わなかった。

「失敗することを恐れるよりも、真剣でないことを恐れた方がいい」

　花も実もある岩隈久志の野球人生を滋味豊かにしたのは、久保康生だった。

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