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トレイ・ヒルマン「18歳のやんちゃ坊主が……」~ダルビッシュを語ろう~

posted2020/11/10 08:00

 
トレイ・ヒルマン「18歳のやんちゃ坊主が……」~ダルビッシュを語ろう~<Number Web> photograph by KYODO

トレイ・ヒルマン(左)はダルビッシュの姿を今も見つめている

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ブラッド・レフトン

ブラッド・レフトンBrad Lefton

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細く整えた眉と、向こうっ気の強い18歳の眼差し。若き才能の眩しさを、かつての指揮官は懐かしむ。世界一の右腕に成長したユーの横顔にいま、思うこと。

 2020年10月、シカゴ・カブス対マイアミ・マーリンズのワイルドカードシリーズ第2戦。私はマーリンズの三塁コーチボックスからユーを見ながら、13年前の秋のことを思い出していました。

 日本ハムの監督だった2007年。中日との日本シリーズで、1勝3敗と王手をかけられて迎えた第5戦の先発マウンドに、私は21歳のエース、ダルビッシュ有を送り出しました。結果は7回1失点11奪三振の快投。なのに、中日先発の山井(大介)とクローザーの岩瀬(仁紀)の継投による完全試合の前に、私たちは“奇跡的な黒星”を喫したのです。

 今回も7回途中2失点と好投しながらも、打線の援護に恵まれず黒星を喫したユーのピッチングが、あの日本シリーズに重なって見えました。

 自信満々で高い集中力を維持して、相手を支配するようなマウンドさばき。ユーがメジャーに来てから、私はドジャース、アストロズ、そしてマーリンズのコーチとして何度も対戦していますが、今回は圧倒的でした。今シーズンの成績が良かったことは知っていましたが、あらためて自分の目で見て感動を覚えてしまったほどです。我々はもちろん勝利を喜びましたが、ユーの抜群のピッチングを見られたことは、個人的に嬉しい経験となりました。

 実は去年のシーズン中に対戦した時には、少し心配をしていました。当時私は一塁コーチでしたが、左後方から見たユーの背中が、何か自信がないように見えた。私は思わず、カブスの一塁手のアンソニー・リゾに言葉をかけてしまいました。

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ダルビッシュ進化論

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