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日本代表オランダ遠征は「何度も無理かも、と」 反町技術委員長&田嶋会長が明かす舞台裏 

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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posted2020/10/30 17:00

日本代表オランダ遠征は「何度も無理かも、と」 反町技術委員長&田嶋会長が明かす舞台裏<Number Web> photograph by Getty Images

植田直通の劇的なゴールで2020年初勝利を飾った日本代表。しかしこの試合を開催するにあたっては困難の連続だった

“力が拮抗した国”が空いていない

「オランダは日本からの渡航を制限していなかったし、その頃、感染者数が1日500人程度と日本と同じくらいで、ヨーロッパの中では少なかった。それで、ここしかないなと。『オランダならやれそうです』と提案したのが8月末でした」

 対戦相手の選定も並行して進められた。

 親善試合の相手を選定する際、さまざまな狙いがある。例えば、攻撃の形やチームコンセプトを確認するため、あえて格下の相手と対戦することもある。

 しかし、森保が今回、反町に希望したのは、そうしたレベルの対戦相手ではなかった。

「拮抗した相手と戦いたいということだった。そのリクエストをもとに探していった」

 日本よりも強い相手は世界中にたくさんありそうなものだが、そう簡単な話ではない。ヨーロッパでは2018年にUEFAネーションズリーグというナショナルチームによる大会が創設され、インターナショナルマッチウイークに、その試合が組まれている。

「2試合日ともネーションズリーグが入っているが、今回オランダがメキシコと対戦したように、2試合やる前に1試合は親善試合を行なうところも多いんだ。でも、時すでに遅し。1カ月前に対戦相手が空いている国なんてないんだよ」

 さらに、南米ではW杯予選が組まれていた。つまり、空いているのはアフリカ、北中米カリブ海、アジアとなり、森保監督のリクエストを鑑みれば、アフリカか、北中米カリブ海となる。

 メキシコをはじめとする北中米カリブ海の代表チームに打診をしたが、すでに親善試合を組んでいたり、活動予定がなかったりと、芳しい返事がもらえない。

試合前1カ月を切った段階で決定

 一方で、アフリカのチームは本国からヨーロッパに入ることができない。そのため、アフリカの代表チームであっても、日本と同じようにヨーロッパでプレーする選手だけで23人のメンバーを組めるチームを探した。

「平井が必死になって探してくれて、カメルーンとコートジボワールは組めそうだと。それで連絡したら、向こうの監督さんも乗り気だと。さらにヨーロッパのメンバーだけで23人組めるという証拠まで出してくれて。それで9月1週目くらいには絞り込むことができた」

 実際、9月11日にオンラインでのブリーフィングと、JFAの公式ホームページ上のコラムで反町は、10月にカメルーン、コートジボワールとオランダで親善試合を行なうことを明らかにしている。カメルーン戦は10月9日開催予定だったから、この時点で試合まで1カ月を切っていた。

【次ページ】 同時進行で会場の選定も進めて

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