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デアリングタクトの三冠を阻止する馬はいる? 秋華賞の主役が引いた「7枠13番」は吉か凶か
posted2020/10/17 17:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Kyodo News
新型コロナウイルスの影響で無観客開催を強いられ、勝ち馬の口取り撮影も行われなくなるなど、さまざまな制約を受けながらも、中央競馬はスケジュールどおりに開催されてきた。そして、ついに、牝牡の三冠戦線のクライマックスを迎えようとしている。
今週は、牝馬三冠競走を締めくくる第25回秋華賞(10月18日、京都芝内回り2000m、3歳牝馬GI)が行われる。
主役はもちろん、史上初の無敗の牝馬三冠制覇を狙うデアリングタクト(父エピファネイア、栗東・杉山晴紀厩舎)である。
アーモンドアイと同等か、それ以上の馬
昨年11月16日の新馬戦、今年2月8日のエルフィンステークス、4月12日の桜花賞、そして5月24日のオークスと4戦4勝。
桜花賞では重馬場をものともせず前を一気に差し切り、オークスでは道中他馬にぶつけられ、直線で前が壁になる局面がありながらも突き抜けた。
強烈な勝ちっぷりは、2018年に牝馬三冠とジャパンカップを圧勝したアーモンドアイと同等か、それ以上のスケールを感じさせる。
間隔をあけて使われているところも、3歳時のアーモンドアイと同じ。デアリングタクトは、父エピファネイア譲りと思われる気性面の激しさを秘めており、心身を臨戦態勢に持っていきやすい。管理する杉山調教師も、間隔があくことを心配していないどころか「むしろぶっつけのほうがいい」とコメントしている。
木曜日に発表された調教後の馬体重は、前走のオークスから14kg増えた480kg。主戦騎手の松山弘平が4週連続調教に騎乗し、馬に「本番」を意識させながら負荷をかけたうえで増えたのだから、確実に成長分だろう。