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遠藤航は「最も重要な選手」と指揮官 香川真司を発掘したSDとシュツットガルト再建へ
posted2020/10/17 17:01
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
メッシ、イニエスタ、シャビ、イブラヒモビッチ、アンリ……。
10数年前、世界に名だたる錚々たるメンバーを揃えたバルセロナは、稀代の名将ペップ・グアルディオラ監督の下、欧州に敵なしのクラブとして名を馳せていた。
2010年2月23日、そんなバルセロナとCL決勝トーナメント第1戦の第1試合で激しい戦いを繰り広げたのがシュツットガルトだった。
最終的には2戦合計1-5で敗退したものの、ホームでの初戦はカカウの先制点により引き分けており、その勇敢な戦いぶりは欧州のサッカーファンから高く評価されたものだ。筆者はスタジアムで取材をしていたが、満員4万人のスタジアムが作り出したその荘厳な雰囲気を、今でもはっきりと覚えている。
岡崎や酒井高徳も所属したが
ところが、この試合を最後にシュツットガルトは欧州トップレベルの舞台から姿を消す。
リーグ優勝5回、カップ優勝3回を誇るドイツの名門クラブの1つではあるが、2010-11シーズン以降、岡崎慎司と酒井高徳が所属した2011-12シーズンに6位でフィニッシュした以外は、2桁順位が定位置となっていた。
そして2015-16シーズンに17位となり2部降格。それでも1年で1部復帰を果たし、昇格年こそ7位と上々の成績で終えることができたが、2018-19シーズンにまたも降格を余儀なくされてしまった。
安定した成績を残せない要因の1つに、首脳陣の権力争いがあった。自分たちの現在地を正しく分析できず、名門としての自負から分不相応の高い目標にしがみついてしまう。そんな状態が続いていては、正しい方向にクラブを導けるはずもない。
2017年の昇格後も、すぐに上を目指してしまった。