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【遠藤保仁ジュビロ移籍】「なぜ欧州に行かなかった?」日本代表元フィジカルコーチがヤットに驚いたワケ
posted2020/10/05 11:02
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph by
Tomoki Momozono
「日本人はサッカーに適した、アスリート向きの人種です」
そう断言するスペイン人がいる。
ハビエル・アギーレが日本代表監督を務めていた頃、フィジカルコーチとして日本代表に帯同したフアン・イリバレンだ。
アギーレの右腕として、オサスナやエスパニョールでフィジカルコーチを務めてきた。現在はアラブ首長国連邦のアルワハダでアギーレと共に働いている。
日本代表のフィジカルコーチに就任する前、イリバレンは日本人のフィジカルについての知識はゼロだった。日本のクラブに携わったことも、欧州で日本人選手と仕事をしたこともなかったからだ。
2014年夏、日本に渡った彼は選手を近くで見て、触れ、言葉を交わし、あらゆる種類の測定を行った。彼はまず、日本人のフィジカル、その特性を見出そうとした。
遺伝的に突出した爆発的なスピードと持久力。
そこでイリバレンを驚かせたのは、ふたつの数値だった。
「スピードと持久力です。ヨーロッパ人と比較すると、日本人はこの数値が非常に高かった。爆発的なスピードを持っていながら、同時に持久力もある。どちらかで高い数値を持つ選手は多くいますが、高いレベルでこれを併せ持つ選手は限られます。後半など、疲労時のパフォーマンス発揮も素晴らしかった。
これらの特性は遺伝的なもので、欧米人にはないものです。分かりやすい例は長友佑都です。スピードも持久力も一級品で、他にもこの資質を持った多くの選手がいました。
一方で、ドイツ人やイングランド人など、アングロ・サクソン系の人種と比較した場合、筋量や骨格、サイズの面で差があります。私とアギーレはその差を日本人の特性で埋めようとした。スピードやアジリティ、持久力を生かしたサッカーです」
アギーレはパス意識が強かった日本に、スピードと縦の意識を植え付けようと取り組んだ。イリバレンが見つけた、これらの特性を生かそうとしたのだ。