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八村塁、NBA1年目の総括&現地評。
“夢が叶う場所”で得た財産は来季へ。 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byDavid Dow/NBAE via Getty Images

posted2020/08/24 11:40

八村塁、NBA1年目の総括&現地評。“夢が叶う場所”で得た財産は来季へ。<Number Web> photograph by David Dow/NBAE via Getty Images

目まぐるしく環境が変化するルーキーイヤーを過ごした八村塁。来季への期待が膨らむ活躍を見せた。

集中マークに苦戦、評価は「C」。

 しかし、スカウティングが進むとともに相手チームから集中的なマークに遭い、八村の得点ペースは急落する。8月2日のブルックリン・ネッツ戦では9得点に終わると、3日のインディアナ・ペイサーズ戦では9得点、5日のフィラデルフィア・76ers戦でも8得点。

 この頃には八村自身も「相手は僕のやりにくいように守ってくる。ダブルチーム、トリプルチームしてきたりして、シュートを打つチャンスが少なくなった」と語り、自分へのディフェンスが格段に厳しくなったことを認めていた。

 結果として、八村は当初に期待された得点源役をなかなか果たせず、同時にディフェンス面でも苦しむシーンが目立った。チームが8試合で7敗と惨敗したこともあって、シーディングゲームの中で八村が“停滞している”と見た地元メディアも少なくなかったよう。米スポーツサイトの「The Athletic」の記者は、シーズン終了後、バブル内での八村に「C」という厳しい採点を与えている。少なくとも“No.1オプション”としては、満点のプレー内容でなかったのは事実なのだろう。

得点以外で貢献する術を探した八村。

 ただ……それでもオーランドでのシーディングゲームが八村にとって貴重な時間だったという事実に変わりはない。前述通り、ネッツ、ペイサーズ、76ers戦では厳しいチェックを受けて悪戦苦闘。得意とするシュートの形になかなか持っていけない中で、得点以外の面でも貢献する術を探し求めていった。

 ペイサーズ戦ではキャリアハイの6アシストを挙げ、ターンオーバーは1のみ。76ers戦ではチーム2位タイの8リバウンドをマークし、ターンオーバーはゼロだった。シュートが決まらない中で、このように何とかできることを見つけ出した点は評価されていい。

【次ページ】 3Pはこれからのキャリアに生きる。

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八村塁
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