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バレットにマピンピ、レイドローも。
ラグビーW杯が世界に広めた日本愛。
posted2020/07/09 20:00
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
AFLO
日本から遠く離れた異国で、ラグビーW杯の「記憶」は息づいている。世界中を驚愕させたあの日、あの時、あの場所での熱狂が、国際的なスーパースターを日本に惹きつけることとなった。
ニュージーランド代表のボーデン・バレットが、ジャパンラグビートップリーグのサントリーサンゴリアスに入団する。2016年と'17年に2年連続でワールドラグビー年間最優秀選手を受賞し、代表キャップ84試合を記録するビッグネームだ。
'91年5月生まれの29歳は、バックスのポジションをマルチにこなす。昨秋のW杯ではフルバックで起用され、3トライを記録した。パス、キック、ランのいずれもハイレベルで、インテリジェンスに富む。
日本代表スクラムハーフの流大と、スタンドオフでコンビを組むのは魅力的だろう。あるいは、フランストップ14のクレルモンへ移籍した松島幸太朗が務めてきたフルバックで、自慢の走力を生かすのも面白い。どのポジションで起用されるにしても、強豪サントリーのラグビーがパワーアップするのは間違いない。
南アフリカからもスピードスターが。
世界チャンピオンの南アフリカからも、ビッグネームがやってくる。マカゾレ・マピンピだ。
7月26日に30歳の誕生日を迎えるマピンピは、圧倒的な突破力を持つウイングである。昨年9月に行われた日本とのテストマッチで3トライをマークし、直後のW杯でもトライを量産する。
準々決勝の日本戦で2トライをあげ、イングランドとの決勝戦でも後半に貴重なトライを記録した。通算ではランキング2位の6トライをマークした。
世界最高クラスのスピードスターは、NTTドコモレッドハリケーンズに所属する。6節終了時点で中止となった2020シーズンのトップリーグで、NTTドコモは1勝5敗に終わった。神戸製鋼コベルコスティーラーズに0-97、ヤマハ発動機ジュビロには7-82と、上位チームに圧倒的な力の差を見せつけられた。マピンピにはチーム浮上の起爆剤との期待が寄せられる。