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『シドニー! 』(1)(2)
「退屈」な五輪の観戦記に
よぎった作家の本質。 

text by

後藤正治

後藤正治Masaharu Goto

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posted2020/07/15 07:30

『シドニー! 』(1)(2)「退屈」な五輪の観戦記によぎった作家の本質。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

『シドニー! 』(1)(2) 村上春樹 文春文庫 2001年刊、2004年文庫化 各510円+税

 著者は作家の村上春樹。本誌増刊PLUS号に寄せたオーストラリア・シドニー五輪(2000年)の観戦日誌などを元原稿とするが、終始、作家の視線というものを知覚させてくれる作品である。

 村上は元来、オリンピックへの関心は低かったが、1冊書こうと思って当地へやって来る。ホッケーなど見たこともなく、ルールも知らない。観戦しつつ、「僕はいったいここで何をしているんだろう?」と思ったりする。

 種目で好きなのはトライアスロンとマラソンを含む長距離走。両種目への記述はやや熱っぽい。さらにもっとも熱っぽいのは、陸上女子400メートル走でキャシー・フリーマンが金メダリストとなったくだりである。

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