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今井達也はダルビッシュの再来か。
ライオンズ22歳の右腕は覚醒間近。
posted2020/06/16 07:00
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Kyodo News
2018、2019年とパ・リーグ連覇を果たし、特別ルールとはいえ練習試合を8勝1敗1引き分けの1位で終えたライオンズ。練習試合のチーム打率は2割9分8厘、奪った得点は69点。主力選手の秋山翔吾が抜けたにもかかわらず、打線の強力さは例年通りのようだ。
オープン戦のときには日本の投手に苦戦していた新外国籍選手、コーリー・スパンジェンバーグも練習試合では5割の打率を残し、外野手のレギュラーポジションを獲得しそうな勢いだ。鈴木将平、川越誠司など若手も台頭し、野手に関しては選手層に厚みも増している。
だからこそ、毎年のように期待がかかるのが投手陣である。特に今シーズンは開幕投手に決まったザック・ニール以外の先発ローテーションに、若手がずらりと顔をそろえる。今年の誕生日で24歳の松本航、23歳の高橋光成、22歳の今井達也に加えて、これまで一軍登板経験がない25歳・與座海人と、20代前半の投手たちが投手陣を引っ張る。
ダルビッシュを彷彿とさせる今井。
その中でも、特に注目してほしいのが毎年、首脳陣に期待をかけられている今井だ。練習試合でマークした155kmのストレートは、昨シーズンより球速だけではなく、球威もアップ。背番号11という共通点もあり、「日本ハム時代のダルビッシュ有を彷彿とさせる」と、そのピッチングがファンやメディアの間で話題となった。
今井はプロ入り2年目となる'18年から先発ローテーションの一角に抜擢され、'18年には5勝、'19年には7勝を挙げた。ただし、良いときと悪いときの差が激しく、1シーズン通じて安定したピッチングを見せることがいちばんの課題だと言われている。
そんな中、昨年のオフは、かつてのライオンズのエース・涌井秀章(東北楽天)とともに初めて自主トレーニングを行った。
「とにかくランニングの量が増えました。総合的な練習量も多かったですね。涌井さんは自分がやるべきことを妥協せずしっかりやる、自分に厳しい人という印象です。さすが、シーズンを通してローテーションを守り、かつ成績を残す投手だなって思いました」(今井)