桜のジャージを着て戦った記憶。

　キンさん、ユハさん、タカミチさん。

　僕の、僕たちの大好きで、憧れて、尊敬している人たち、才能ある人たちが次々とジャージを脱いでいく。

　桜のエンブレムを胸に、ともに戦った仲間たちとの記憶を思い出すと、今でも鮮明にその姿が蘇る。汗だくになりながら、泥だらけ、血だらけで誰かのために戦う姿は本当にカッコ良く、美しいとさえ思った。

　桜は散りゆく姿も美しい、と、何かで見た気がする。引退するキンさんも、ユハさんも、タカミチさんも散るわけじゃない。

　今までとは違う場所で、違う咲き方をするのだ。

　彼らだけではない。桜のジャージを着た選手も、着ることが叶わなかった選手も、日本ラグビーのために戦った全ての選手が、それぞれの場所で、それぞれの花を咲かせるだろう。

　花が咲くまでに時間がかかる人もいるかもしれない。どんなに時間がかかっても、ゆっくりでも構わない。強く、しなやかで、美しい花を咲かせて欲しい。

　それでも、もう一緒にラグビーできないのは寂しい。

　ポジティブな記事を書きたくて、綺麗な終わり方にしたかったが、ダメだ。

　やっぱり、僕はこの時期が一番嫌いだ。

　キンさん、ユハさん、タカミチさん、3人の引退が重なった2020年。

　今年は今までで一番嫌いだ。

畠山健介 公式SNSはコチラ！
公式ツイッター： https://twitter.com/Hatake_03
公式インスタグラム： https://www.instagram.com/hatake03/