将棋PRESSBACK NUMBER
藤井聡太タイトル挑戦へ超異例日程。
渡辺明棋聖「可能性は5割以上……」
posted2020/05/30 08:00
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph by
Kyodo News
緊急事態宣言の解除によって、止まっていた将棋界のタイトル戦も一気に動き出した。
新型コロナの渦に巻き込まれてしまうものとほぼ諦められていた、藤井聡太七段のタイトル戦挑戦の最年少記録更新も可能性が急復活した。
ヒューリック杯棋聖戦(産経新聞社主催)の挑戦者決定トーナメントの準決勝、藤井-佐藤天彦九段戦と、永瀬拓矢二冠-山崎隆之八段戦が6月2日に設定され、決勝は中1日で4日に対局。そして渡辺明棋聖が待ち受ける棋聖戦五番勝負の第1局は、挑戦者決定から4日後という前代未聞の短い間隔で、8日に東京・千駄ヶ谷の将棋会館で開催という日程が発表されたからだ。
藤井が準決勝、決勝と連勝して挑戦権を手にすれば、屋敷伸之四段(現九段)が17歳10カ月24日で挑戦した1989年の棋聖戦の記録を4日更新する最年少レコードの更新となる。
準決勝からタイトル戦まで合わせて中5日という超異例の対局日程を組んだところに、藤井聡太という次代を背負って立つ大スターにかける日本将棋連盟の期待の高さが読み取れるところだ。
名人戦、叡王戦の日程を見てみると。
併せて、延期、再延期となっていた豊島将之名人-渡辺明挑戦者の名人戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)七番勝負の日程も27日に決まった。また同じく永瀬叡王と豊島挑戦者がまみえる叡王戦(ドワンゴ主催)七番勝負の日程も1、2局目のみ先行して発表された。
一気に動き出した3つのタイトル戦を記して、その慌ただしさを実感してもらいたい。
6月8日
棋聖戦第1局 東京「将棋会館」
6月10、11日
名人戦第1局 鳥羽市「戸田家」
6月18、19日
名人戦第2局 天童市「天童ホテル」
6月21日
叡王戦第1局 会場未定
6月25、26日
名人戦第3局 東京「将棋会館」
6月28日
棋聖戦第2局 東京「将棋会館」
7月5日
叡王戦第2局 会場未定
7月27、28日
名人戦第4局 東京「椿山荘」
8月7、8日
名人戦第5局 東京か大阪「将棋会館」
8月14、15日
名人戦第6局 東京か大阪「将棋会館」
8月27、28日
名人戦第7局 東京か大阪「将棋会館」