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インターハイ中止で揺れるバスケ部。
強豪は冬モードでも、一般層は……。
posted2020/05/13 08:00
text by
青木美帆Miho Awokie
photograph by
Kyodo News
夏のインターハイが中止になるかもしれない――。
そんな衝撃的なニュースが全国を駆け回ったのは4月の中旬のこと。26日には、インターハイを主催する全国高校体育連盟から、中止の正式発表がアナウンスされた。
高体連の決定に従うように、大阪、福岡などを除いた大半の都道府県で、インターハイ予選にあたる都道府県総体が中止となった。様々な競技の関係者から嘆きの声がやまない。
高校バスケ界、その中でも全国大会を目指せるレベルのチームにとって、インターハイの中止は必ずしも”絶望的な事実”ではない。なぜなら彼らは当初から、12月のウインターカップ(全国高等学校バスケットボール選手権)出場を見据え、そこまで現役を続ける予定で部活に取り組んでいるからだ。
ウインターカップに当たり前のように出場する強豪チームにとって、インターハイは新人戦程度の位置づけ。強豪チームの監督が、インターハイ中止に対するコメントを寄せた記事をいくつか読んだが、どの記事にも必ず「ウインターカップに切り替える」というニュアンスの言葉があった。
福岡第一は全寮生が実家へ。
インターハイ2連覇、夏冬通算4連続優勝を目指した福岡第一男子部は、4月初旬、留学生を除く全寮生が実家に帰った。
「1~2週間程度だと思ったら、ここまで長引くとは……。1人で体育館を掃除するときなんか、さみしくてさみしくて仕方がないですよ。寮にいる留学生の顔を見ることだけが励みになっています」
井手口孝コーチは、率直な思いを打ち明けた。