松岡修造のパラリンピック一直線!BACK NUMBER
車いすフェンシング・加納慎太郎の
「バカドリーム」に松岡修造がエール。
posted2020/05/06 08:00
text by
松岡修造Shuzo Matsuoka
photograph by
Nanae Suzuki
松岡修造がパラアスリートと真剣に向き合い、その人生を掘り下げていく「松岡修造のパラリンピック一直線!」。第11回目のゲストは車いすフェンシングで東京パラリンピック出場を目指している加納慎太郎さん。
東京パラリンピックの代表選考試合は、この先も続く……。
「僕は本番に強いので。何か起こせると」
松岡「もう東京パラリンピックの内定はもらっているんですか」
加納「いや、まだなんです」
松岡「では位置としては今、どのくらいにいらっしゃるんでしょう」
加納「パラランキングで言うと、世界の13位です。自分の中では8位以内を目指していて、そこまで行けば本番も自信を持って臨めると思う。オレグコーチが言ったバカドリームじゃないですけど、自分を信じて戦いたいと思ってます」
松岡「そこまでいけばどんな番狂わせだって夢ではないと。たしかに、リオデジャネイロ五輪では太田雄貴さんが世界ランキング1位で臨んだけど、1回戦で負けてしまった。フェンシングは僕の中で、番狂わせが起きやすい競技というイメージがあります」
加納「そうですね。僕は本番に強いので。何か起こせると信じてます」
松岡「いきなり力強いコメントが出ましたね。なぜそう思えるんですか」
加納「ただそう信じているだけです。根拠はありません(笑)」
松岡「根拠のない自信ほど良いものはないですよ。それが生まれると言うことは、自分が勝つイメージがあるからこそだと思う。慎太郎さんの武器は? 他の選手より優っているところはどこですか」
加納「自分の武器は、他の選手よりも練習ができるところ。練習を楽しめることが一番じゃないかと思ってます」
松岡「これは責めているわけじゃありませんよ。楽しむとはどんな感覚でしょう」
加納「剣道と精通しているんですけど、小さいころから父親とキャッチボールをするように剣を振ってきたので、剣を持つと落ち着くというか、楽しめる感覚があるのが自分の強さかなと思うんですね」