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<真のアスリート第一とは?>
野村忠宏が語る「東京五輪1年延期」
posted2020/04/21 08:00
text by

矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Asami Enomoto
東京五輪の1年延期は現役選手にどのような影響を及ぼすのか。
まず思ったのは、先行きが見えない不安の中で、ストレスを感じながらトレーニングをしてきた選手たちにとっては、目標を再設定できて良かったということだ。もし中止となっていたら、今を生きているアスリートのすべての夢が絶たれることになる。
実際に延期が決まってからのアスリートの発信は皆、ポジティブだ。
「自分を強くする時間が増えた」
「来年7月に向けてさらに強くなった自分を見せていきたい」
このような言葉を聞くと私も嬉しいし、実際に彼ら彼女らには決意があると思う。
今はケガをしているという選手も、1年あれば立て直せるだろう。時間ができたことによって、自分が世界一になるために試してみたい技術など、色々なチャレンジができるという見方もできる。
ただし、1年延期になり、選手の新たなケガのリスクが増えたとも言える。アスリートは常にケガと隣り合わせだ。どれだけ集中して練習をしても、ケガの瞬間は突然に訪れる。身体にはケアできない部分があり、酷使すればするほど消耗する部分がある。ケガの原因は疲労の蓄積や免疫機能の低下など様々だが、防ぎようのない事故が来夏までにあるかもしれない。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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