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桜花賞の注目は2歳女王+武豊。
レシステンシアはキタサンの再来?
posted2020/04/11 19:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
政府から緊急事態宣言が発出されたことを受け、JRAは、それを踏まえたうえで、当面の間、無観客競馬を続行することを発表した。
これまでの感染拡大防止策に加え、出走馬の他ブロック競走への出走制限、騎手の移動制限など、新たな取り組みがなされることになった。
緊急事態宣言が出されたら競馬が中止になるのではないかと心配する声もあっただけに、胸を撫で下ろしたファンは多かったのではないか。
JRAから開催続行が発表されたのは、4月8日、水曜日の正午ごろ。その日の朝に追い切りを済ませていた第80回桜花賞(4月12日、阪神芝外回り1600m、3歳牝馬GI)出走馬の関係者は落ちつかなかっただろうが、開催続行が決定し、馬たちが力を発揮する舞台が用意された。
阪神JFを無敵の形で勝った馬。
今週の開催は、無観客競馬の7週目。3週連続3戦目の無観客GIとなる桜花賞には、多くのファンの前で走らせることができないのが残念な、非常に素晴らしいメンバーが揃った。
「名牝の予感」を漂わせている馬が複数いるなか、その筆頭と言えるのは、昨年2歳女王となったレシステンシア(父ダイワメジャー、栗東・松下武士厩舎)だ。
2連勝で臨んだ昨年の阪神ジュベナイルフィリーズは、速いスタートからハナを切り、3ハロン通過33秒7、4ハロン通過45秒5という超高速ラップを刻んだ。それだけのハイペースで逃げながら、直線で後続を突き放して5馬身差の圧勝。勝ちタイムの1分32秒7は、2006年のウオッカの記録をコンマ4秒更新する2歳コースレコードだった。
恐ろしいことに、上がり3ハロン35秒2というのもメンバー最速だった。超ハイペースで逃げて最速で上がられたら、後ろの馬はどうすることもできない。2歳の時点で、早くも「無敵」の形を見せていたのだ。