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F1の開発力でコロナウイルスと戦う。
休業中の技術者が医療現場に貢献。

posted2020/04/06 11:00

 
F1の開発力でコロナウイルスと戦う。休業中の技術者が医療現場に貢献。<Number Web> photograph by University College London

メルセデスが医療関係者と短期間で共同開発した呼吸補助装置。

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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University College London

 本来ならばF1が第3戦ベトナムGPまで進んでいたはずの4月上旬現在。参戦している10チームすべてがヨーロッパにあるファクトリーをシャットダウンし、休業している。例年であればシャットダウンは夏に設定されており、今年も8月2日に行われるハンガリーGP後に2週間にわたってファクトリーが完全閉鎖される予定だった。

 しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で開幕戦が中止となっただけでなく、6月7日に行う予定だった第8戦アゼルバイジャンGPまで、F1レースはすべてが延期または中止という状態になっている。

 いまは新型コロナウイルスの被害が深刻かつ急速に広がり続けているが、もしも今年夏までに感染症が終息しレースを再開できれば、当初予定していた夏休み期間中に延期となったグランプリを開催するために、シャットダウンをレースが行われていない3~4月に前倒ししたのである。

閉鎖されたはずのファクトリーで……。

 改定されたレギュレーションではチームは3月19日から4月末までの間の21日間、ファクトリーを閉鎖しなければならない。この期間中は、総務や経理以外のマシンの開発に関わるすべてのスタッフのファクトリーへの出入りが禁止されるだけでなく、ファクトリーのサーバも停止され、外部からの遠隔作業もできないようになっている。

 さらに感染症拡大の影響を受けて、このシャットダウンは今年からチームだけでなく、ホンダなどのパワーユニット・マニュファクチャラーにも適用され、3月30日から施行された。

 しかし、一部のファクトリーではいまもエンジニアたちが作業を行っている。イギリス・ブリックスワースにあるメルセデス・ハイパフォーマンス・パワートレイン(HPP)。普段はメルセデスのパワーユニットを開発しているスタッフたちだ。

 もちろん、禁止されている作業をしているわけではない。彼らが行なっている仕事は、F1ではなく、医療現場へのサポートだからだ。

【次ページ】 呼吸補助装置のプロトタイプを共同開発。

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