ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
松山英樹と畑岡奈紗、中断の影響は?
崩れ去ったメジャー初制覇への計画。
posted2020/03/25 11:40
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph by
Yoichi Katsuragawa
「当時と比べるのが正しいかは分からないが、これほど多くの大会が行われなくなったのは第二次世界大戦以来だ。コロナウイルスは世界を変えてしまった」
フロリダ州の東海岸、ポンテ・ペドラ・ビーチ。世界ランク17位のマット・クーチャーは突如中止となったザ・プレーヤーズ選手権の会場で、そう残した。
新型コロナウイルス感染拡大の勢いはすさまじく、世界中のあらゆるスポーツイベントが実施できない事態に追い込まれている。
屋外スポーツで、比較的感染リスクが少ないという指摘もあるゴルフもいまのところ同様だ。主要ツアーでは米女子ツアーが中国での大会をはじめとした3試合のアジアシリーズを中止にしたのを手始めに、ユーラシア大陸全土を中心に回る欧州やアジアの男子ツアーが追随。3月初旬に開幕を予定していた日本女子ツアーも素早く対応した。
非常事態宣言、再開の目処立たず。
そして3月13日、ドナルド・トランプ米大統領が国家非常事態を宣言すると、ついに米本土でも緊急措置がとられた。
女子ツアーのメジャー・ANAインスピレーションを含む6試合を延期、男子ツアーは2つのメジャーを含む11試合の中止または延期が決まった(19日現在)。米国ではこれから感染のピークを迎えるとみられ、再開の目途が立っていない事実が話をいっそう重くしている。
日本の男女のトップ選手への影響、いや失望の大きさは想像に難くない。松山英樹と畑岡奈紗はそれぞれ、裏ではメジャー初制覇への準備を着々と進めていた最中だったからだ。