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Jリーグ中断で今、何が起きてる?
クラブ財政への配慮と厳しい日程。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byAFLO
posted2020/03/24 18:00
巨大組織の、巨大な決定。村井チェアマンにとっても難しいのは承知の上だが、はやさこそが価値を生む場面でもあるはずだ。
2週間単位でのシミュレーション。
無観客試合をするにせよ、観客を入れる前提で再延期するにせよ、各クラブの損失はJリーグが補填することが前提になるだろう。
J1の成績上位クラブに支給される分配金などを各クラブへ行き渡らせるといった対応が、すでに検討材料に上がっていると聞く。
専門家会議後の会見に出席した村井満チェアマンは、「日々刻々と状況が変わっていくなかで、4月3日から5日までの再開が難しいときには4月18日、その次は5月2日と、2週間単位でシミュレーションをしながら日程の検討を進めている」と明かした。
5月1日から3日までの第12節から再開されるとなると、10節分を先送りにすることになる。それでも、現在の12月5日終了を12月いっぱいまで延ばせば、全34試合の消化は可能との見方がある。東京五輪の開催に伴う中断を前提としても、どうにか組み込めるという。
代表戦にJ選手を派遣しない?
ただし、各国の代表チームが活動するインターナショナルウインドー期間中のJリーグ開催を、FIFA(国際サッカー連盟)に要請することになるかもしれない。具体的には9月、10月、11月のウインドーである。そこでは、Jリーグでプレーする選手を日本代表に招集せず、海外クラブ所属選手のみで国際試合に臨んでもらうといった例外措置が俎上にのせられる。
それでもなお、課題はある。Jリーグと日本代表の試合が同時期に開催されることになっても、スタジアムを確保できるのか。海外から帰国した日本代表選手たちが、14日間の隔離などの対象にならないのか。ヨーロッパ各国リーグが通常の動きを取り戻しており、選手たちがコンディションを整えることができているのか、などだ。