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西武期待のルーキー左腕・浜屋将太。
社会人野球で磨いた礼儀と武器。
posted2020/03/19 08:00
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Kyodo News
本来であれば20日に開幕を迎えるはずだったプロ野球2020シーズン。ライオンズのルーキーでは、投手でただ1人、その晴れやかな開幕を一軍で迎えるだろうと予測されていた浜屋将太は、開幕延期について飄々と受け止めている。
「まだ試合(オープン戦と練習試合)があるので、そこでもアピールを続けるだけです」
オープン戦では3試合の登板に留まったが、6イニングスを投げ自責点は2。右打者のインコースに堂々と投げ込めるコントロールもあり、8奪三振を記録するなど、及第点と言える成績を残している。
左腕が少ないチーム事情もあり、浜屋にかかる期待は大きい。
「はじめまして、浜屋と申します」
浜屋は鹿児島・樟南高校から三菱日立パワーシステムズを経て今年、ドラフト2位でライオンズに入団した。入団会見の席では「三菱日立パワーシステムズから参りました」「背番号20番をいただきました」と、社会人野球出身らしい“完璧な言葉遣い”の自己紹介が注目を集めた。
後日、取材で会った際に名刺を差し出すと、両手で受け取り「はじめまして、浜屋と申します」と言って深々と頭を下げた。三菱日立パワーシステムズに入社した際に、ほかの新入社員とともに研修を受けたそうだ。名刺のやり取りはもちろん、電話対応なども研修で身につけたと明かしてくれた。
「でも普段は言葉使いが悪くて、いつも母に怒られているんです。だから、すごく気を付けて、ちゃんと話そうとしているんです」
素に戻ると21歳らしい無邪気な笑顔を見せる。