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大相撲春場所、無観客開催の影響は。
注目の炎鵬、大栄翔らの声を伝える。 

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飯塚さき

飯塚さきSaki Iizuka

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photograph byKyodo News

posted2020/03/03 20:00

大相撲春場所、無観客開催の影響は。注目の炎鵬、大栄翔らの声を伝える。<Number Web> photograph by Kyodo News

2月9日時点では開催されていた第44回日本大相撲トーナメントの3回戦で、白鵬を破っていた炎鵬。

無観客とはいえファンにとっては喜ばしいことでは。

 世論と伝統・興行の間で揺れる日本相撲協会だったが、お客さんの人命や力士たちの土俵への思いなど、すべてを考慮した上で、無観客での開催となった。

 解決すべき課題は多くあるけれども、現段階で協会員の感染者がおらず、無観客とはいえ春場所が開催されることは、土俵へ臨む力士と取組を心待ちにしているファンにとっては、喜ばしいことなのではないか。

 もちろん、力士たちは声援がないことに困惑しており、もろ手を挙げて「楽しみだ」とは言いにくい状況ではあるが、力強い四股で邪気を払い、華々しい取組で日本を沸かせてほしい。

 不安に揺れ、落ち込む国民を、相撲の力でもう一度元気にしてもらいたい。そんな期待を込めて、この異例の本場所を見守りたいと思うのである。

「(無観客開催は)逆に緊張しそうだなと」

 初日を前に、炎鵬は「初めての経験なので、イメージが湧かないですね」と戸惑いを見せる一方で、「今は、手洗いうがいをしっかり徹底して、マスクもして体調管理しています。土俵に上がる以上、やることはいつもと変わらないので、しっかりやるだけ。戸惑いはあるけれど、(土俵に)上がってみないとわかりません。しっかり気持ちをつくらないとケガにもつながるので、気を引き締めていきたいです」と力強く話した。

 また、三役への返り咲きを目指す大栄翔は、「お客さんの声援は、ありがたいと思いながらもあるのが当たり前だと思っていたので、無観客開催となると寂しいし、逆に緊張しそうだなと思っています。でも、気持ちのもっていき方はいつもと変わらず、テレビやネットで見ている人がたくさんいると思うので、いい相撲を取りたいです」と、ファンへの思いも語ってくれた。

 無観客ではあるが、中継は通常通り放送される。

 テレビやネットを通して、力士たちにいつものように、いや、いつも以上の声援を送ろう。ファンの熱い思いは、画面越しにもきっと彼らに届くはずだから。

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