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大相撲春場所、無観客開催の影響は。
注目の炎鵬、大栄翔らの声を伝える。
posted2020/03/03 20:00
text by
飯塚さきSaki Iizuka
photograph by
Kyodo News
新型コロナウイルスの影響により、3月8日に初日を迎える大相撲春場所は、無観客での開催が決定した。
もし、場所中に1人でも感染者が出た場合は、その時点で中止。この異例の決断の背景には、やはり「お客さんに迷惑をかけられない」というのが、最大の理由として挙げられた。
力士たちは毎朝体温を測り、37.5度以上であれば休場。
さらに、力水では実際に口をつけず、形だけ行うことになるという。
また、公共交通機関の利用を避け、専用のバスを使って移動することも検討されているそうだ。
場所中、会場に入れるのは、力士や親方などの協会員と報道陣のみ。しかも、取材は2階席からに限り、土俵下での撮影や支度部屋での取材は禁止などと、報道陣には接触を避けるためのさまざまな規制がかけられる。
前売り券10億円だけでなく……。
もちろん、前例のない対応になるため、協会は現在も多くの課題を抱えている。
完売している前売り券の払い戻し方法や、すでに発注しているであろう飲食物や土産物への対応など、挙げ始めるときりがないほど、決めなければならないことが山積しているはずである。
15日間の前売り券の代金は10億円にものぼると報道にあるが、それはあくまで席料のみの金額。飲食代や土産代も考えれば、損失はさらに大きくなる。
協会やお茶屋といった関係者の苦労を思うと、頭が下がるばかりだ。