ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
雷雨で中止? 今のルール違反は何?
国内ゴルフ観戦に求むデジタル化。
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byYoichi Katsuragawa
posted2020/03/07 19:00
海外ツアーでは、SNSやアプリによって天候による中断、再開の情報を逐一発信する。国内はデジタル活用において後れを取っているのが現状だ。
悪天候時の大会情報はどこで得る?
それならまだいい。問題は雨風、それも試合が中断するような悪天候になるともっと厄介だ。準備よく傘を持参していたり、都合よく場内で雨宿りできたりすれば事なきを得るが、それが一時的であればまだしも、天候がさらにひどくなって2時間も3時間もストップするような事態になったらどうすべきか。
そもそも来場者は「中断」や「中止」の情報をどこで得ればいいのか。周りにスコアを知らせる電光掲示板があったり、呼びかけをしてくれる大会スタッフがいればいいが、そう上手く事が運ぶとは限らない。
何もこれは今に始まった問題ではない。
たが、今も解決の糸口がない問題でもない。
策のひとつがやはりデジタルの力を活用することだ。多くの現代人の情報収集ツールは一番がスマートフォンだと言っていい。
情報発信はツアーが管理すべき。
アプリでもSNSでも、リアルタイムで情報を通知することはもうゴルフコースの外では常識だ。悪天候であれば、中断の経緯や再開の見通しをギャラリーがキャッチでき、その後の行動を判断できる。
ゴルフ観戦の来場者は年齢層が比較的高いとはいえ、全世代でネットのリテラシーが今後下がる理由はない(たしかに男子メジャー・マスターズは、スマホ端末の持ち込みを来場者に禁じているが、場内は人であふれ、ボランティアスタッフももちろん豊富。素早い情報伝達がたやすいため例外的だ)。
デジタル化を推進したとして、問題は誰がその情報を発信するか。
プロゴルフの大会は毎試合、主催スポンサーが異なる事情があるからこそ、やはりファンが一義的にアクセスする情報源は各試合を統括するツアーが管理すべき。諸外国に比べ、プロモーション展開で立ち遅れている国内の男女ツアーに改善が求められる課題だと思う。