フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
新型コロナとカナダ世界フィギュア。
日本の選手とファンは入国できるか?
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byKYODO
posted2020/03/02 11:30
羽生結弦がフィギュア四大陸選手権で優勝した韓国の木洞アイスリンク。その後、新型コロナの影響で一時的に閉鎖されている。
簡単にはキャンセルできない事情。
同時に筆者がもっとも懸念しているのは、すでに体調不良を感じているファンが、どうしても選手の応援をしたい、あるいはすでにツアー料金を払い込んだという理由から、無理をして観戦にやってくることだ。
これほど連日、新型コロナウイルスのニュースが報道されている中で、そのような無謀な行動をする人はよもやいないだろうとは思うのだが、日本のファンが感染経路になったなどと後々言われないためにも、体調管理には十分に気を付けてもらいたい。
現在のISUにとってフィギュアスケート世界選手権は、テレビ放映権なども含めると最大のイベントと言って間違いない。
特に今年の世界選手権は、「スケーティングアワーズ」という新しい試みが企画されている。ファンと報道関係者たちなどによるオンライン投票などで、今シーズンの最も影響あるスケーター、ベストコスチューム、ベストプログラムなどが選ばれ、その表彰式が最終日に盛大に予定されている。
そのため、ISUは世界選手権をそう簡単にはキャンセルできないという事情がある。
今年の世界選手権の開催地が、感染の広がっている国ではなかったことは不幸中の幸いと言わなくてはならない。
これからあと3週間、新型コロナウイルスの状況が少しでも落ち着き、世界選手権が無事に開催されることを願ってやまない。