松岡修造のパラリンピック一直線!BACK NUMBER
松岡修造とパラ陸上代表・高田千明。
元五輪選手コーチとの出会いとは?
text by
松岡修造Shuzo Matsuoka
photograph byNanae Suzuki
posted2020/02/24 08:00
元オリンピアンの大森盛一コーチと共に、息子の諭樹くんを交えて取材に臨んでくれたパラ陸上日本代表選手の高田千明。
高田「ただのオッサンだと思ってました」
松岡「初めてパラリンピックを知ったのは21歳の頃と。パラリンピックについてはどんなイメージを持っていたんですか」
高田「うーん(長い沈黙)。パラリンピックに出たいとかじゃなくて、まずは全力で走ってみたい。もう一度走れるようになるにはどうすればいいか、というところがスタートだったので、正直そこまで思い入れはなかったです。
障がい者でも出られる大会があって、そこに行けば『大会中は一緒に走ってくれるボランティアさんがいるみたいよ』と話を聞いて、じゃあ一度そこに出てみようと。出た大会にたまたま大森さんがコーチをやっているチームで練習をしている全盲の選手がいて、その子からチームを紹介してもらったんです。それで初めて練習に顔を出して、ようやくパラリンピックについて知った。大きな大会なんだって(笑)」
松岡「本当にまったく知らなかったんですね」
高田「はい。そこで色々教えてもらって、自分ももしかしたらその大会に出られるかもしれないって。初めて身近に感じられました」
松岡「もしその時、最初からパラリンピックが世界のトップだけが集まる大会だと知っていたら、挑戦していたと思いますか」
高田「走ることはどうしてもまた始めたかったので、目指したかどうかは別にして、走ることには挑戦していたと思います」
松岡「大森さんとは最初、どのようにして出会うんですか。当然、大森さんがオリンピックにも出た、すごいアスリートだと知らなかったわけですよね?」
高田「ただのオッサンだと思ってました」
松岡「オッサン! 大森さんはすごい記録を持っているんですよね。アトランタの1600mリレーで5位に入賞したときのタイムはいまだに日本記録だと聞いています。今はこんな髪型をして、アスリートっぽくないですけど(笑)」
大森「天然のくせ毛が嫌で、縮毛矯正をしているんです。という話はどうでも良くて(笑)。一応'92年のバルセロナと'96年のアトランタ、2回オリンピックに行ってます」
松岡「大森さんのオリンピック体験についても聞かせて下さい。その場でどんなことを感じたのか」