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田中広輔と小園海斗が散らす火花。
ショートの座は、勢いか、堅実か。 

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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photograph byKyodo News

posted2020/02/18 11:40

田中広輔と小園海斗が散らす火花。ショートの座は、勢いか、堅実か。<Number Web> photograph by Kyodo News

今季は選手会長に就任し、キーマンの1人として期待される田中広輔。小園海斗との定位置争いに注目が集まっている。

打撃でも互いに持ち味を発揮。

 佐々岡監督も「2人でショート争いをしてもらいたい」と刺激する。ライバル関係をあおるように、上本崇司や曽根海成、三好匠など遊撃を本職とする選手もいる中で、キャンプ初日から守備練習では2人にしか遊撃に就かせなかった。

 竜虎相搏つ。やわらかいグラブさばきの堅実な守備に対し、スピーディーかつ思い切りのある守備でぶつかり、右膝の状態回復で本来の粘りが戻ったシュアな打撃に対しては、ツボにはまれば飛距離を生み出す打撃で対抗する。互いの色を出しながら、しのぎを削る。

 チーム初の実戦形式となった5日のシート打撃では互いに持ち味を発揮した。

 交互に遊撃を守りながら打席に入った。小園が打球をはじくエラーをすると、先輩田中は中堅に抜けそうな当たりに飛び込む好捕を見せた。だが、小園も負けじと打撃で右翼席へ豪快な1発を放って挽回すると、田中も低めの球にうまくバットを合わせて中堅前に運ぶ好打。田中が3打数1安打、小園は2打数1本塁打と2四球の結果だけでなく、内容も互角の幕開けとなった。

開幕戦、ショートに座るのは?

 ハイレベルな争いは続いている。小園にとって田中はライバルであると同時に、生きた教材となる先輩。

「(田中の守備は)確実性は全然違う。勉強になることが多い。目の前でやらせてもらっているので、技術の向上ができればと思う」

 誰よりも田中の実力を知る。だが、その先輩を越えていくつもりでいる。

 15日の阪神、16日の中日との練習試合では小園が二塁でスタメン出場した。2試合でいずれも遊撃に就いたのは田中だった。小園は田中が退いた後に遊撃に回るという立場。対外試合の初戦から「1番遊撃」で起用し続けていることからも、首脳陣は田中に遊撃を任せるつもりなのだろう。選手会長であり、トップバッター、さらにセンターラインを担う。佐々岡監督は「昨年悔しい思いをしていると思うので、選手会長として、要として頑張って欲しい」と2020年広島のキープレーヤーの1人として期待する。

 3月20日の開幕戦、マツダスタジアムの遊撃には田中が立っているかもしれない。だが、小園が田中に挑む広島の遊撃手争いは始まったばかり。2人の戦いは、これからも続いていく。

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