濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
デビュー7連勝も悔し涙の負けず嫌い。
新鋭・ぱんちゃん璃奈の可能性は?
posted2020/02/14 20:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
新日本プロレス、女子プロレス団体スターダムと同じくブシロード傘下のキックボクシング大会「KNOCK OUT」は、昨年から方向性を変えた。
小野寺力プロデューサーの時代は、那須川天心や梅野源治といった大物を招いてのビッグマッチ路線。しかし他団体から選手を借りてのイベント運営には限界があった。新プロデューサーに就任した山口元気氏は、自身が代表を務めるイベント「REBELS」と連動して“育成路線”を採った。トライアウト企画などから“自前のスター”を作ろうというわけだ。
もちろんそれは簡単なことではなく、2月11日の大田区総合体育館大会の後も「まだ過程なので」と山口氏は語っている。そんな中で“KNOCK OUTの顔”になりつつあるのが、7戦全勝の女子選手ぱんちゃん璃奈だ。
所属ジム・STRUGGLEに入門したのは3年前のことだ。幼少期から水泳に打ち込み、中学3年からはマラソン大会の成績を買われて陸上部へ。しかし走り込み過多による疲労骨折という挫折を経験した。部も学校も行かなくなった。
無為な日々を変えようと地元の大阪から上京、そこで出会ったのがキックボクシングだった。短期間でアマチュアマッチを12戦(11勝)行ない、1年前にプロデビューした後もハイペースで試合を重ねた。
グラビアにも登場した“キューティー・ストライカー”。
リングネームは『ドラゴンボール』のキャラクター、孫悟空の孫「パン」に似ているとよく言われることから。主催者は“キューティー・ストライカー”というキャッチフレーズをつけた。
昨年、今年と雑誌で水着グラビアを披露してもいる。いわゆる“アイドル人気”も高いのだが、本人は根っからのアスリート気質だ。
「(メディアに)取り上げていただくのは凄く嬉しいんですけど“強い”と言われることに抵抗があって。“まだ全然なのに”って思ってました。
応援してくれる人が増えているからこそ、その人たちに強い姿を見せなきゃいけない。格闘技を知らない人にも自分の試合を見てもらって、キックボクシングを好きになってもらいたいって思えるようになったのは最近です。でも水着はもう無理かもしれない。グラビアで見せる筋量じゃなくなってきてるので(笑)」