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神戸と横浜、ゼロックスの激闘。
これはJリーグ新時代の幕開けか。

posted2020/02/10 11:50

 
神戸と横浜、ゼロックスの激闘。これはJリーグ新時代の幕開けか。<Number Web> photograph by AFLO

ヴィッセル神戸の巨大補強がついに実を結んでいる。しかし、まだ目指す領域ははるか先にあるはずだ。

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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AFLO

 3-3という打ち合いとなったフジゼロックス・スーパーカップ2020は、9人連続で外すという珍しいPK戦を経て、最後にヴィッセル神戸の山口蛍が決め、天皇杯優勝の神戸が、リーグ王者の横浜F・マリノスをくだした。

 昨季のリーグ戦では、4-1、2-0と横浜が勝利している。圧勝といってもおかしくない結果だったが、2月8日の新シーズン幕開けの一戦では、スコア通り互角の内容だった。

 元日の天皇杯決勝で鹿島アントラーズを下し、クラブ初のタイトルを手にした神戸。シーズンオフや準備期間は短かったが、この日はキックオフ直後から天皇杯優勝の勢いを感じさせた。

 横浜の攻撃を凌ぎながら、冷静かつ厳しいプレッシングでボールを奪うと、シンプルにパスを繋ぎ、高く位置する横浜のDFラインを押し戻すように攻めた。1本の長いパスで裏のスペースを突いたり、短いパスを繋ぎ崩したりとテンポの良さを見せつける。

高徳が語る神戸の遂行能力。

「マリノスはハイプレスを仕掛け、DFラインが高い。そのうえ攻守の切り替えも速い完成されたチームだというのはわかっている。事前に対策を練ったとしても、簡単というわけにはいかないだろうし、難しいこともわかっていた。

 ただ、僕たちには自分たちのプランを遂行する能力があると思っていました。守備のプレッシングの仕方やボールを取りにいく感じとか、上手くやれていた。そうすればあの高いDFラインの裏をつくのは当然のこと。

 もしかしたら、他のチームはそこに苦労するのかもしれないけど、神戸にはアンドレス(・イニエスタ)やセルジ(・サンペール)など、パスを出せる選手がいるし、裏へ抜けるのが得意な選手もいる。それがうまくフィットして、よい連係を生み出していたと思います。キャンプでやったイメージの共有やプレッシングの迫力や方法というのができていた」

 昨年8月に加入した酒井高徳は、淡々と試合を振り返る。

【次ページ】 仲川のタイプを分析し、対応。

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