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トンプソンの鶏口牛後。
~なぜNZから日本へ来たのか~
posted2020/02/08 08:00
1月19日、秩父宮で行われたラストゲーム(近鉄対栗田工業)勝利後に、ファンとの別れを惜しむ。
text by

藤島大Dai Fujishima
photograph by
Takuya Sugiyama
これで退く。だから、ここをなかなか退かない。さっき試合は終わった。それなのに辛抱強く前向きで勇敢なラグビー選手を仲間もファンもしばらく放そうとはしない。胴上げの宙に舞い、引きずる脚で観客席に沿ってグラウンドを周った。
ルーク・トンプソン。日本国籍を得てからの表記はトンプソンルーク。38歳。近鉄ライナーズとジャパンのFWは、なにもかも悟った長老のような、好奇心に満ちた14歳のような、どちらとも形容できる表情で光景に溶けた。
なぜジャージィを脱ぐのか。書きたいのはそのことではない。なぜニュージーランド(NZ)の小さな町に育った若者は日本へやってきたのか。そちらだ。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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