プレミアリーグの時間BACK NUMBER

「アグエロォォ」、遂にアンリ超え。
通算180得点とペップを見返す適応。 

text by

山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2020/01/25 20:00

「アグエロォォ」、遂にアンリ超え。通算180得点とペップを見返す適応。<Number Web> photograph by Getty Images

アグエロという世界屈指の“計算できるストライカー”がいるからこそ、グアルディオラ監督の精緻なパスサッカーは成り立っている。

ペップを見返して勝ち取った信頼。

 本人は「時間が必要だった」と口にしているが、新たなプレースタイルが加わる兆しは、すぐに現れた。グアルディオラが「監督として目にした中で過去最高の出来」とアグエロを評したのは、2017年3月のFAカップ戦での勝利後だ。

 ハダーズフィールドから5得点を奪った一戦で先発したアグエロは、2得点1アシストを記録した。それにとどまらず、出場した約80分間で、中盤まで下がってビルドアップに絡み、ワンタッチで捌いて攻撃のスピードを上げ、味方へのスルーパスを狙い、ボールロスト後にはとっさにプレスを掛けた。

 それから3年近くが経とうとしている現在のシティで、絶対エースと言えばアグエロに他ならない。ジェズスは“エース見習い”のまま移籍4年目に突入している。

 グアルディオラは、自身就任前に実現したシティのプレミア初優勝を、「将来的にCLでの初優勝や国内外4冠が実現されたとしても、上回ることはできない重みを持つ功績」と表現して、優勝ゴール得点者、すなわちアグエロに最大級の敬意を示す。

 完璧主義者の指揮官を見返して勝ち取った信頼は、プレミア年間最優秀選手賞よりもはるかに意義ある個人としての勲章だ。そんな彼は、クラシックなゴールゲッターから近代的ストライカーへ、進化と呼べる変化を自らの意思で遂げた正真正銘のワールドクラスである。

 セルヒオ・アグエロを、「プレミア・レジェンド」と呼ばずして何と呼ぶ?

BACK 1 2 3 4
セルヒオ・アグエロ
マンチェスター・シティ
ティエリー・アンリ

海外サッカーの前後の記事

ページトップ