ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
ライガーに続き佐野直喜も現役引退。
焼肉屋に届いた高橋ヒロムからの花。
posted2020/01/21 11:30
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
New Japan Pro-Wrestling/AFLO
新日本プロレスの1.4&1.5東京ドームと、1.6大田区総合体育館で行われた獣神サンダー・ライガーの引退試合、および引退式は素晴らしいものとなった。
1.4ドームでは、かつての好敵手や先輩後輩を集めた8人タッグマッチを闘い、黄金の'90年代新日本をよみがえらせ、1.5ドームでは高橋ヒロム&リュウ・リーという、現在の新日ジュニアのトップと真っ向から闘い敗れ、完全燃焼したライガー。
そして1.6大田区での引退式では、仲間のレスラーや家族に囲まれ、最後は入場テーマ曲『怒りの獣神』を、観客全員と合唱してのハッピーエンド。これほど多幸感に満ちたプロレスラーの引退は、これまで見たことがない。ライガーは引退発表会見で「しんみりしたものにしたくない」と語っていたとおり、明るくリングを去っていった。
ライガー引退式の翌日のFacebookで。
そんなライガー引退式の翌日、1.4&1.5ドームでライガーの対戦相手とパートナーを務めた佐野直喜(佐野巧真)が、Facebookを更新。そこにはこう記されていた。
「“獣神サンダー・ライガー”選手、31年間お疲れ様でした。そしてありがとうございました! ライガー選手の引退試合に出場させて頂いたこと本当に感謝致します。
そして私ごとですが、今回限りで現役を卒業し“焼肉巧真”のオヤジとして頑張って参ります。今まで応援してくださった方々本当にありがとうございました。そしてこれからも宜しくお願いいたします」
ライガーの若手時代からのライバルである佐野もまた、同じくドーム2連戦を最後に電撃的に引退を発表したのだ。
その翌日、ちょうど関西に用事があった僕は、京都で佐野が営むお店『焼肉巧真』を訪ね、急遽インタビューをさせてもらった。そして突然の引退発表の理由を聞くと、次のように答えてくれた。
「ここ数年、毎回試合に出るたびに『これが最後だな』と思ってやってきたんですよ。だから試合前の気持ちはいつもと同じだったんだけど、ドームで2試合やらせてもらった後、あらためて『ここでケジメをつけよう』と思ったんだよね」