全日本大学駅伝で10人抜きを見せた相澤晃。

　酒井監督は、相澤についてこのように話していた。

「出雲駅伝、全日本大学駅伝のように相澤を追いかける状況ではなく、突き放す展開で使いたいんですよね」

　全日本大学駅伝では3区を走り10人抜きで首位に立った相澤だが、果たして箱根駅伝では何位でたすきをもらうことになるのか。そうなるとカギを握るのは3年連続で1区を担当する西山和弥（3年）の働きである。今季、西山は出雲駅伝、全日本大学駅伝ともに区間順位は2ケタ。西山が上位でたすきをつなぐことが、総合優勝に向けてのポイントになりそうだ。

　直球で臨む酒井監督の采配が、どう出るのか。

意外に変化球な駒澤大・大八木監督。

　そして直球と見せかけ、意外と変化球を投げることが多いのが駒大の大八木弘明監督。

　1年生エースの田澤廉を補欠に入れたのは、意外だった。将来を見据え、大きく育てるためにも2区に起用するのでは？　と想像していたが、大八木監督はこう話した。

「まだ1年生だけど、順調にやれてます。往路のどこかにいきますよ。どこに置いたら一番いい流れになるのか、考えていきたいです」

　2区には経験を買って山下一貴（4年）を当て、田澤は3区か4区。前回、駒大は4区で苦戦を強いられたことを考えると、田澤を4区に投入してくるかもしれない。田澤でジャンプアップできれば、チャンスは膨らんでくる。

「前回以上に山の準備はしているので」

「往路優勝を狙っていきます。速い選手5人、往路に投入するつもりで」と話していたのが國學院大の前田康弘監督。

　今回の國學院大は、とにかく直球。エースの土方英和（4年）を2年連続の2区、3区には3年連続でこの区間を担当する青木祐人（4年）、そして前回、5区の区間賞を獲得した浦野雄平（4年）が今回も山上りを担当する。前田監督は、5区に勝負を懸ける。

「浦野が切り札です。前回以上に山の準備はしているので、前回同等かそれ以上のコンディションで臨めると思います。最大で3分はひっくり返せるので、浦野で先頭に立ちたいですね」

　念願の往路優勝達成のためには、4区までにどうやってたすきをつないでいくかがポイントになる。

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