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20年の卓球人生で最も厳しい戦い。
熾烈な選考は選手を強くしたか。

posted2020/01/04 15:00

 
20年の卓球人生で最も厳しい戦い。熾烈な選考は選手を強くしたか。<Number Web> photograph by AFLO

直前の12月8日のノースアメリカンオープン決勝、石川(左)が直接対決に勝利し135pt差で平野を上回った。

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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 見ていて胸が締め付けられるようだった。卓球の東京五輪代表選考レースの最終戦となるワールドツアー・グランドファイナルが'19年12月12日から中国で行なわれ、世界ランク10位の石川佳純(全農)と同11位の平野美宇(日本生命)が、同4位の伊藤美誠(スターツ)が既に代表入りを確実にしている東京五輪の女子シングルス残り1枠を争った。

 日本協会の代表選考基準は'20年1月の世界ランク。グランドファイナルでは石川が初日に世界選手権女王の劉詩文(中国)に負け、その直後に登場した平野も王芸迪(同)に黒星。ともに1回戦敗退となり、石川の3大会連続シングルス代表入りが内定した。

 日本女子は団体戦が初めて採用された'08年北京五輪で4位、'12年ロンドン五輪で銀メダル、'16年リオ五輪で銅メダルと高いレベルを維持しており、代表争いは毎回熾烈だ。しかし、それでも今回の厳しさは群を抜いている。リオ五輪代表が事実上内定した'15年9月の世界ランクは石川が5位、福原愛が6位。伊藤が10位に続き、平野が17位と、ランキングが上手い具合にばらけていた。

石川「20年の卓球人生で……」

 現行の世界ランク算出システムがスタートした'19年1月からの日本女子トップ3を見ると、1月は石川が3位、伊藤が7位、平野が9位で、伊藤と平野は7月までこの順位をキープした。一方、この間に石川はじりじりと降下し、2月に4位、4月に6位になり、9月は8位まで下がった。

 このとき7位に浮上し、初めて日本女子のトップに躍り出たのが伊藤だ。勢いに乗る伊藤は11月のオーストリアオープンで今季ツアー初優勝を飾り、いち早く代表の座を確実にした。こうして女子シングルスの残り1枠争いに注目が移って行った訳だが、石川と平野の差があまりにも僅かだったことで、戦いはかつてないほどヒートアップした。

 石川は「20年の卓球人生で、体力的にも精神的にもここまで厳しく感じたことはなかった」と言う。1月6日に発表される団体メンバーに平野が入れば、2人は東京五輪では団体戦でダブルスを組むことも予想される。消耗の激しかった選考レースは選手たちをどこまで強くしているだろうか。中国に一泡吹かせるパワーが宿ったことを期待したい。

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