フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
「世界選手権では4回転、完璧に」
全日本制覇、紀平梨花が目指すもの。
posted2019/12/23 20:30
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Asami Enomoto
「今回ショートでミスがあって、フリーの前の公式練習ですごく調子が悪かったので不安はあったのですが、全日本選手権で初めて優勝がとれたのですごく嬉しい気持ちです」
12月19日から代々木第一体育館で開催されていた全日本選手権で、初優勝をきめた紀平梨花は会見で開口一番にそう語った。
GPファイナル優勝との違い。
15歳で全日本ジュニアで優勝して、シニアに初挑戦した2017年には、3位に入賞。国際大会でシニアデビューした昨シーズンは、GP大会2試合で連勝しGPファイナルでもアリーナ・ザギトワを退けてタイトルを手にした。
当然全日本選手権でも優勝候補視されていたものの、ジャンプミスが出て坂本花織に次いで2位に終わった。
今シーズンは3度目の挑戦だった。2年前の3位、昨年の2位、そしてついに代々木で表彰台の頂点に立った。
これまでGPファイナル、四大陸選手権など大きな国際試合でのタイトルを取ってきた紀平だが、それらのメダルに比べて、ここでの優勝はどのように違っていたのかと聞かれると、こう答えた。
「全日本は地元の大会ということで、友だちとか家族のみんなも見に来てくれていますし、ショートでミスした後もお手紙をたくさんいただいて、本当に不安があって眠れなかったので、そこでお手紙を読んで励まされて、本当に今回感謝というのを感じた試合でした」
樋口が3年ぶりの表彰台へ。
2位に入ったのは、3年ぶり、3度目の銀メダルを手にした樋口新葉だった。
フリー「ポエタ」で大きな2アクセルから演技を開始。3ルッツ+3トウループ、2アクセル+3トウループなど次々とジャンプを成功させ、勢いのある演技を滑り切った。
唯一3フリップでステップアウトしたのがミスらしいミスだったが、SP4位から総合2位へと順位を上げた。