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火付け役はフラメンゴのジェズス。
ブラジルは空前の外国人監督ブーム。
text by
下薗昌記Masaki Shimozono
photograph byMasaki Shimozono
posted2019/12/21 09:00
フラメンゴの選手に熱く指示を送るジェズス監督。彼のような外国人監督が増え、ブラジルサッカーも変わるのかもしれない。
リバプール戦はキャリア最重要の一戦。
コエーリョ氏が見るジェズス監督の成功は、クラブ運営のあり方を改善してきたフラメンゴの土壌があってこそだと言うのだ。
「フラメンゴは正しい監督を選んだし、ジェズスもまた正しいクラブを選んだ」
現役のブラジル代表4人に加えて、ウルグアイ代表やスペイン人CBのパブロ・マリやラフィーニャなど、ジェズス監督が目指すサッカーを体現しうるタレントもまた、38年ぶりの栄冠に不可欠なものだった。
コパアメリカの優勝後、ブラジル代表は親善試合で韓国に勝利した以外は3分け2敗という低調な戦いが続いている。それもあってジェズス待望論を口にする識者は少なくない。
アルヒラルを下した直後の記者会見で、ポルトガル人の名将はキッパリと言い切った。
「この大会に来た時からチャンピオンになることは意識していたが、決勝に進んだ今はなおさらその思いは強い。この決勝は私のキャリアにおいて最も重要な一戦だ」
サッカーの母国で現在、首位を独走するリバプールに対して、サッカー王国を圧倒したフラメンゴがいかなる戦いを見せるのか――。
決勝戦の結果にかかわらず、ひとつだけ言えることがある。フラメンゴの成功例は最高のロールモデル。もはや単なるモチベーターを必要としていないブラジルのサッカー界は、第二、第三のジェズスを追い求めることになりそうだ。