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イチローとMLBオールスター。
10年連続出場の内訳を分析。
posted2019/12/20 17:00
text by
田村航平(Number編集部)Kohei Tamura
イチローがメジャーリーグで初めてオールスターに出場したのは、ルーキーイヤーの2001年。
開幕戦の2安打を皮切りに球団新人記録の23試合連続安打、7試合連続複数安打、両リーグ最速100安打と勢いが止まらない。前半戦を終えて、スタメン出場した試合で2試合連続の無安打は一度もなかった。
その年のオールスターは奇しくも、本拠地シアトルでの開催。デビューからたった3カ月で全米を席巻していたイチローは両リーグトップの337万3035票を集め、初出場を果たす。
7月10日、ア・リーグの「1番・センター」でスタメン出場を果たすと、ナ・リーグ先発のランディ・ジョンソンから一塁内野安打を放った。
以後、2002年、2003年と両リーグ最多得票で選出され、「新人から3年連続オールスター最多得票」という史上初の記録を作る。
2004年は最多得票をアルフォンソ・ソリアーノ(レンジャーズ)に譲り、2005年はファン投票4位で選手間投票での選出となったが、2006年から2010年までは5年連続でファン投票で選ばれ、ア・リーグのリードオフマンを務めた。
特に2007年は、オールスター史上初のランニング本塁打を含む3安打2打点の活躍でMVPを受賞。イチローが出場した10年間で、ア・リーグは8勝1敗1分と大きく勝ち越している。
2001年と2010年のア・リーグのスタメンを比べてみると、イチロー以外の顔ぶれは大きく様変わりしていることがわかる。
2001年ア・リーグ
1(中)イチロー
2(三)アレックス・ロドリゲス
3(左)マニー・ラミレス
4(二)ブレッド・ブーン
5(右)フアン・ゴンザレス
6(一)ジョン・オルルド
7(指)エドガー・マルティネス
8(遊)カル・リプケンJr.
9(捕)イバン・ロドリゲス
(投)ロジャー・クレメンス
2010年ア・リーグ
1(右)イチロー
2(遊)デレク・ジーター
3(一)ミゲル・カブレラ
4(中)ジョシュ・ハミルトン
5(指)ウラジミール・ゲレーロ
6(三)エバン・ロンゴリア
7(捕)ジョー・マウアー
8(二)ロビンソン・カノ
9(左)カール・クロフォード
(投)デビッド・プライス
上記の選手で、2019年のオールスターに出場した選手はいない。イチローと年齢の近いジーターとロドリゲスは通算14回も出場しているが、その2人ですら10年連続での出場はできなかった。
10年も続けてオールスターに選ばれるだけの成績を維持していたことも、イチローの勲章のひとつだった。