羽生結弦は「きみなら5回転跳べる」。

　翌日、羽生と話をする機会があったことを明かした。

「きみなら5回転跳べるよと言われて……4回転フリップやろうかなという話をしたら、こうすればいいというアドバイスをしてくれた。ルッツだと思って跳べれば跳べるよ、と」

　羽生から幼稚園時代にペンダントをプレゼントされ、それを今でも試合でお守り代わりに身につけている。現在も羽生がたまに仙台に帰ってきたときに、話をすることもあるという。

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　羽生に5回転をと言われて、どう感じたのか。そう聞かれると、佐藤は小さな声で「無理だなーと思いました」。記者たちの間から、再び好意的な笑い声がもれた。

「憧れの大先輩に勝ちたいか」と聞かれると……。

　その憧れの大先輩に、いつかは勝ちたいという思いはあるのか。そう質問されると、佐藤駿は苦笑いを見せた。

「いつかは勝ちたいなと思っていますけれど、まだその域に全然達していない。まずは羽生選手のジャンプやスケーティングを真似できるように頑張りたいと思っています」

　具体的に、羽生のどういったところを参考にしたいのか。

「ジャンプのきれいさ。スケーティングの滑りだったり、表現力などを真似できたらなと思っています」

　さらにこの大会でシニアのトップ選手たちを間近に見る機会に恵まれた感想を、こう述べた。

「シニアの選手は表現力だったり、ジャンプについても大きな加点の付くジャンプを跳んでいるので、ぼくもこれからそれを見習って練習しないとだめかなと思いました」

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