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あと1/4回転。羽生結弦が憧れの地で
4回転アクセルに挑んだ理由とは。 

text by

野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph byAsami Enomoto

posted2019/12/11 10:30

あと1/4回転。羽生結弦が憧れの地で4回転アクセルに挑んだ理由とは。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

4回転アクセルは“王様のジャンプ”と言う羽生。「ジャンプだけじゃなくてフィギュアスケーターとして完成させられるものにしたい」とも語った。

「色々と模索し、身体も作りつつ」

 10月のスケートカナダの時には、エキシビション前にアレクサンドラ・トゥルソワと一緒に練習し、こう話していた。

「彼女は回転に入るスピードがすごく早いと思う。どちらかというと自分のタイプではないけれど、そういう強さも、これから高難度(4回転アクセル)をやっていくにあたって必要だと思いました」

 つまり、トリプルアクセルは(A-1)と(B-1)で雄大に跳ぶタイプだったが、4回転アクセルの成功に向けては(A-2)と(B-2)の手法を加えようという戦略なのだ。

「現状としては、回りきって降りてくることで精一杯。もうちょっとだけ、降りるための余裕がないといけない。

 それを掴むには1~2週間のトレーニングでは無理なので、もうちょっと色々と模索し、身体も作りつつ、やっていきたいです。今回は身体が動いているからこそ行けるかなと思ったんですが、結局できなかったので、余計にそれを感じました」

「自分にとってのきっかけの地になった」

 翌日は25歳の誕生日。20代前半の最後の思い出は、4回転アクセルへの、ちょっと無茶な、でもとっても羽生らしい勇気のある挑戦だった。

「ここは一生に一度しかない所ですし、僕自身もここの舞台がきっかけで色々な事がまわっている。スケートを出来て、ここが憧れの地で、オリンピックで優勝して、すべてが繋がって来ている。4回転アクセルを跳べはしなかったですけど、ここが自分にとってのきっかけの地になったなと思います」

 4回転アクセルはどんな感覚なのだろう。そしてどんな景色が見えるのだろう。

 あと4分の1回転。

 まるで宇宙の真理を求めるかのように、彼は回転を求めていく。

<特集 フィギュア新時代>もっと強く、美しく。

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