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アーモンドアイ回避も注目の香港GI。
4レースに臨む日本馬9頭は“買い”。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2019/12/06 17:00
右からインディチャンプ、ディアドラ、アドマイヤマーズ、ウインブライト。昨年は日本馬未勝利。巻き返しはなるか。
エリ女制覇のラッキーライラックも。
「追い切りは彼女にとっては少し遅いくらいで、前にも後ろにも馬がいた事もあって一瞬、掛かり気味になってしまいました。でも、それだけ順調だという事だと思います」
昨年は2000メートルの香港カップ(GI)で2着。今年は2400メートル戦に出走となるが、この点は「全然問題ないと思う」と自信に満ちた表情で答えていた。ヨーロッパ仕込みの末脚がさく裂する事を期待したい。
ラッキーライラックは4日の朝に丸内永舟調教助手を乗せて芝コースで最終追い切り。同助手は言う。
「速い時計で動いてくれたので、状態は前走同様、良さそうです。前半、楽に追走出来る馬なので距離も心配していません」
一昨年の最優秀2歳牝馬が、前走のエリザベス女王杯(GI)でおよそ1年半ぶりの勝利を挙げ、復活の狼煙をあげた。海の向こうでもこの勢いでの好走を願おう。
スプリントにはダノンスマッシュが。
香港スプリント(芝1200メートル)には新スプリント王となりそうなエセロ(せん3歳、香、J・ムーア厩舎)を筆頭に地元・香港の有力馬が名を連ねる。この高い壁に挑むのがダノンスマッシュ(牡4歳、栗東・安田隆行厩舎)だ。
今年は高松宮記念(GI)が4着でスプリンターズS(GI)が3着。GIのタイトルには手が届いていないが、いずれのレースでも1番人気に支持されたように、いずれ大仕事をやってのける素質はありそうだ。
もっとも、過去の香港スプリントの傾向をみると、日本のGIスプリンターがことごとく跳ね返されている。そういう意味で楽ではないが、唯一この高き壁を乗り越えたのが'12年、'13年と連覇したロードカナロアであり、ダノンスマッシュはその子供という点に期待がかかる。
ロードカナロアに続き、このダノンスマッシュも担当しているのが安田隆行厩舎の岩本龍治調教助手。彼はこう話す。
「ロードカナロアの子供でまた香港に戻って来られるなんて本当に幸運だし、嬉しい限りです。なんとか良い結果を残したいです」
父が見せてくれた景色を再び見せてくれるだろうか。容易な事ではないが、期待をしたい。